2021 Fiscal Year Research-status Report
分散化するワークプレイスの知的生産性および省エネルギー性に関する研究
Project/Area Number |
21K14307
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
對馬 聖菜 芝浦工業大学, 建築学部, 助教 (10801251)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 在宅勤務 / オフィス勤務 / 環境満足度 / 知的生産性 / 健康性 / オンライン授業 / 対面授業 |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19流行の影響を受け在宅勤務が急速に進んでいる。本研究では、分散化するワークプレイスに着目し、建物の省エネルギー性や執務者の快適性・知的生産性・健康性の観点からより良いワークプレイス/ワークスタイルを検討するための課題を把握し、改善策を提案することを目的とするもので、2021年度は以下の研究課題を推進した。 1.都内オフィスビルにおける実態調査:建設会社の自社ビルを対象に、在宅勤務およびオフィス勤務を併用していた2020年度の電力消費量と執務環境満足度を調査した。BEMSデータ分析の結果、2008 年から2019 年までの5月平均と比較し2020年5月の電力消費量は、特にOAコンセントの消費量が0.68倍と大きく減少し、オフィスでの個人用機器使用量減少による影響がみられた。執務者5名へのヒアリング調査では、他者のオンライン会議の会話など音環境に関する不満があがった。本研究成果は、2021年度建築学会大会で発表した。 2.全国規模のWEBアンケート調査:COVID-19の影響で在宅勤務を始めた9都道府県の執務者1161名を対象にアンケート調査を実施した。2020年の在宅勤務開始当初と比較し2021年12月時点では、オフィス勤務時および在宅勤務時の各環境満足側が向上し、執務者の健康状態も向上した。1161人中501人が在宅勤務環境の改善を行い、特に、照明や空調換気設備・什器・PC機器などを整え光・温熱・空気質・空間・IT環境の改善を行った執務者は主観作業能力が大きく向上した。本研究成果は、2022年度建築学会大会で発表予定である。 3.学習環境の実態調査:ワークプレイスと同様に自宅でのオンライン授業および学校での対面授業を併用する高校2校および大学1校を対象に調査を行った。温熱・光環境には概ね満足していたが、オンライン授業時の音環境やIT環境に関する不満が多く確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際のオフィスでの実測調査および全国規模のWEBアンケートにより、在宅勤務とオフィス勤務を併用する執務者の快適性・知的生産性・健康性や建物の省エネルギー性について幅広く知見を得ることができた。 申請時には予定していなかったオンライン授業および対面授業を併用する高校および大学における学習環境に着目して実態調査を実施し、新たな知見を示すことができた。 研究成果は、2021年度建築学会大会にて発表済み・2022年度建築学会大会にて発表予定であり、対外発表も積極的に行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の研究成果を元に以下の課題1,2を推進する。 研究課題1. 全国規模のWEBアンケート調査 全国規模で働き方の変化、執務環境の快適性、オフィスの設備・OA機器等の運用状況に加え、自宅のエネルギー消費量の変化を把握するために、オフィスビルが多く在宅勤務導入が進んでいる都市部の執務者約1000名を対象にWEBアンケート調査を実施する。 研究課題2. 客観的指標を用いた知的生産性に関する被験者実験 在宅勤務・オフィス勤務、オンライン授業・対面授業の異なる環境条件が知的生産性に与える影響に関して、客観的指標である生理量(脳波や心拍)や生産性(クレペリン検査等)等の評価指標を用いて被験者実験を行う。2022年度は学生を対象とし、対面授業時とオンライン授業時の差異について調査する。
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Research Products
(1 results)