2022 Fiscal Year Research-status Report
室町時代から江戸時代の日中庭園における構成の修辞に関する研究
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21K14325
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| Research Institution | Waseda University |
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Principal Investigator |
方 ガイ 早稲田大学, 理工学術院, 次席研究員 (70897024)
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| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 研究フレームワーク / 江南地域 / 三遠理論 / 空間構造 / 組景手法 / 空間修辞 / 空間概念 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2022年度における主な業務は、全体的な研究フレームワークの順調な推進と、既に収集した日中庭園の現地測定データのさらなる補足、そして文献の収集、整理、分析であった。
まず、新型コロナの影響で前期に実施できなかった中国の江南地域の庭園に対する調査を順調に完了した。4週間をかけて蘇州の庭園について適度に拡大調査を行い、庭園都市の調査範囲を杭州、湖州などの江南地域、つまり重要な庭園が繁栄していた地域にまで拡大した。
次に、文献の収集と整理も非常に良い進展を遂げ、文献中の造園法と実際の造園現場を充分に比較し、重要な分析と結論を得た。また、日中の伝統的な山水画における空間の観点からの論述も予想通りの進展と成果を達成した。
最後には、本研究の最も重要な部分、全体的な研究フレームワークの推進である。主に以下の三つの方面がある：1）三遠理論を手がかりにして、京都の庭園における空間要素の組み合わせ関係を整理した。三遠は庭園と絵画の最も基本的な要素空間関係の組み合わせの方法で、空間構成において鍵となる役割を果たする。これにより、三遠理論を用いて異なる歴史期における京都庭園の空間構造特徴を分析する段階的な結論が形成された。2）景を単位に、庭園図集中の庭景の形式と接続の構造的分析を通じて、物語性の構造の意味で異なる歴史時期の「庭景」の分類をまとめることを目指している。そして、借景、対景などの組景手法を整理し、景物の要素構成や構造特徴を探求した。さらに、類型学的な手法を組み合わせて、庭園と伝統的な山水画の空間構造を比較し、類型化、系統化の比較と総括を行った。3）類型化、系統化された庭園要素の形態、組合せ手法、そして構造的な接続を修辞手法と見なす。修辞手法と空間概念の比較分析を通じて、最終的には伝統的な山水画と庭園の中の異なるレベルの空間修辞タイプを解読することができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
日本の現地データ収集作業はすでに計画以上に完成した。日本の庭園の保存数が多く、データ量が充分であり、また、京都地区の造園は周辺の奈良や滋賀などと密接な関連があるため、調査の過程で地域範囲を適切に拡大し、研究結論の全体性と精度の基盤を築いた。また、続く深度研究の良好なスタートを切った。
同時に、中国部分の現地データ収集作業もすでに超過して完成した。そして、研究の地域範囲を杭州、湖州などに拡大した。
最後に、全体的な研究フレームワークは非常にスムーズに進み、すでに構築が完了した。そして、初期の分析結論がすでに形成され、積極的に論文の投稿と発表を試みている。
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| Strategy for Future Research Activity |
前期のデータ調査が十分であり、全体的な研究フレームワークが順調に進展したことにより、次の研究作業に向けた良好な基盤が整った。今後の研究作業は主に以下のいくつかの点に集中する：
まず、調査資料をさらに整理、比較、分析する。これには、日中の庭園事例の比較と深度分析、修辞手法のまとめ、空間観念の深度探討が含まれる。特に、禅宗思想の伝播や山水画理論の伝播などの理論的な洞察を重点的に分析する。
次に、日中の庭園の違いと関連性をまとめ、史料を元に両者間の存続と脈絡を解釈する。同時に造園文献の伝播を重点的に調査し、伝播の経路と系譜について深く研究する。これにより、日中庭園間の関連性を明らかにする。
最後に、分析と解釈を組み合わせ、研究成果を学術論文や著書などの形で発表する。
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| Causes of Carryover |
後期の成果発表にはかなりの費用がかかる予定であり、また、次のステップである論文の執筆や書籍の出版に向けた人件費も増加すると予想されるため、本年度では可能な限り費用を調整し、次の学術発表作業に備える予定である。
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Research Products
(7 results)
