2021 Fiscal Year Research-status Report
ウィズ・ポストコロナ社会に対応した住情報提供体制の再構築に関する研究
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21K14332
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Research Institution | Association of Urban Housing Sciences |
Principal Investigator |
趙 賢株 公益社団法人都市住宅学会(都市住宅研究センター), 都市住宅研究センター, 研究員 (60899962)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ウィズコロナ / ポストコロナ / 住情報 / 都心居住者 / 子育て世帯 / 住情報センター |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度の研究実績は、下記のとおりである。 (1)令和3年度には、主にコロナ発生後の都心居住者の住まい方の変化や住宅産業分野の変化及びトレンドなどに関する文献調査及び既往研究のレビューなどを行った。また、その文献調査の結果を踏まえて、日韓の都心居住者の住要求と住情報ニーズの変化に関するアンケート調査の準備を行った。現在、調査票を作成しており、6月中に日韓調査を行う予定である。 (2)先行研究として行った日韓子育て世帯への住まいの移動や選択に関する調査結果の分析を行い、日韓子育て世帯の住意識や住居移動に関する行動特性の違いについて明らかにした。調査結果は論文にまとめ、韓国の大韓建築学会に投稿しており、現在2次審査中である。 (3)住情報発信主体の一つである京都市、大阪市、神戸市における住情報センターの災害時の住情報発信業務の状況及び相談内容を調査・分析し、日本の公的機関による住情報発信の事例からみる常時の公的な住情報発信体制の構築の重要性や韓国の住情報施策における示唆点を明らかにした。分析結果は、論文にまとめて韓国の大韓建築学会に投稿したが、審査委員2名が修正後掲載加、1名が掲載不可という結果となり、現在、投稿した論文を取り下げ、相談結果のテキストマイニング分析結果を加えて再投稿を準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、コロナ以降の住宅に対する意識や住要求、住情報ニーズの変化に合わせた住情報提供のあり方について検討するのが主な目的である。コロナ感染状況が毎日変わっているなかで、都心居住者の住まいに関する最も大きな変化は、住まいと仕事の関係であることが既往研究や文献調査を通じて分かった。一方、コロナに関する調査は、その時の社会的雰囲気と政府の方針による日常生活の制限に大きな影響を受ける。研究者は、特にコロナ禍によるテレワークの拡散と今後、ポストコロナ以降にテレワークが働き方の主流として定着されることに注目し、都心居住者のテレワーク環境や住まいに関する意識、住要求の変化を調査する必要があると考えている。そのため調査は、コロナ禍による行動制限で仕方なく一時的にテレワークをする人が多い時期ではなく、コロナが日常になったエンデミック時代に入った時期にコロナ以降の住意識の変化やテレワークなどによる住まい方、住要求、住情報ニーズに関する調査を行うほうがより明確な調査結果が得られ、適切であると判断した。その理由で、調査の時期を当初計画より延期したため研究の推進がやや遅れている。また、コロナ禍による国内出張や海外渡航・滞在が難しくなり、国内のインタビュー調査や韓国への調査ができなかったことも研究の進歩状況がやや遅れている一つの理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、より明確な調査結果を得るため調査時期を当初の計画より延期しているので、今後は迅速に研究を進む。また、調査や調査結果に対する分析に当たっては、日韓両国の協力研究者に意見をいただく交流の場を設け、研究の客観性や正確性を高めるとともに、適正な研究の評価を行う。さらにできるだけ多分野の研究者、専門家との研究交流を通じて特色のある研究が持続的に推進できるようにする。研究成果は、積極的かつ効果的に発信、公開することで社会との対話を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用が生じた理由は、上記で述べたようによりコロナ禍による国内外のインタビュー調査と現地調査の困難、適正な研究結果を得るための調査時期の延期により、該当費用に関する出費がなかったためである。 令和4年度は、令和3年度にできなかった日韓における都心居住者と住情報発信主体に関する調査を同時に行い、調査に必要なウェブアンケート費用や郵送のアンケート費用、国内外におけるヒアリング調査のための旅費と謝礼、調査補助員の人件費(日韓両方)、住情報センターにおける社会実装のための費用などを使用する予定である。また、研究成果を国内外での学会において積極的に公表・発表する予定であり、その際に国際論文集への投稿のための翻訳費と掲載費用、学会表会のための旅費を使用する計画である。さらに、日韓調査の比較や適切な調査結果の評価のため、日韓研究者との交流会を行う予定であり、その際に協力研究者への謝礼や会場貸出費用などを使用する予定である。
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