2021 Fiscal Year Research-status Report
Movable-Nonlinearity Modeling for Successive Analyses of Very Flexible Structures
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21K14341
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大塚 啓介 東北大学, 工学研究科, 助教 (20881189)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 衛星航空機 / 流体構造連成 / 空力弾性 / 非線形有限要素法 / 風洞実験 / マルチボディダイナミクス / マルチフィジックス |
Outline of Annual Research Achievements |
災害・コロナ禍の影響を受け,通信需要はますます増加しており,低高度を数年継続飛行することで空の基地局となる衛星航空機の実用化が期待されている.従来航空機と異なり,極軽量柔軟な衛星航空機は静的大変形形状によって周波数特性・動特性が激変する.衛星航空機の早期実現には大変形を考慮した数値モデル(非線形運動方程式)による静解析・周波数解析・動解析という一連の解析が必要になる. 非線形性を任意に移動させ,静解析・周波数解析・動解析いずれに対しても容易に適用でき,高い解析性能を発揮する【非線形移動型モデリング法】の構築を目的とし,初年度は以下の3点に取り組んだ. ①ベクトル・歪変換式による静解析:ベクトル変数を歪変数に変換することで,静解析で高計算負荷となる剛性項の非線形性を慣性項に移動し,高速に静解析できるようにした.大変形ベンチマーク問題ロールアップにおいて,僅か1要素分割で収束できた. ②平均人工歪による周波数解析:対象構造物にとって非支配的な変形を【平均人工歪】として簡易的に表現することで,慣性項の非線形性を剛性項に移動させ,剛性項の線形化するだけで周波数解析を実現できることを示した. ③内部変形拘束式による動解析:繰り返し計算が必要な動解析では人工剛性のチューニングによっては解析が発散し得る.そこで人工剛性の代わりに付与した【内部変形拘束式】に非線形性を移動することで高速・安定・チューニング不要な動解析を実現した.本手法による解析結果をAIAA Journal of Aircraftで公表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的としていた【非線形移動型モデリング法】を構築できたため.特に難しいと予想されていた「静解析用の歪モデルをジョイントを有する複雑構造へ適用できるよう拡張すること」も想定通りの研究期間で達成できた.
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Strategy for Future Research Activity |
東北大学・流体科学研究所の風洞装置を用いて,静解析モデルと周波数解析モデルの実験実証を行う. ①静解析モデルの実証 鉛直に壁面固定支持した翼に対して,迎角と流速を変更した場合の静解析を行う.風洞実験との比較で,全長に対するたわみ量何%まで提案する静解析モデルが有効かという適用限界を明らかにする. ②周波数解析モデルの実証 構造空力連成効果で振動が発散するフラッタ現象の周波数・発生流速に関して,解析と実験を比較する.静的変形量に応じて,フラッタ周波数は変化する.提案する周波数モデルがどこまでこの変化を捉えられるかを明らかにする.
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Causes of Carryover |
コロナの影響で設営に人手を要する大規模な実験が行えなかったこと,学会がオンラインになったことが理由である.今年度に購入予定であった計測装置,風洞実験模型を次年度以降に導入することを計画している.
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Research Products
(15 results)