2023 Fiscal Year Annual Research Report
超小型探査機に向けた可変形状ソーラーセイルの推進剤フリーな軌道・姿勢同時制御
Project/Area Number |
21K14345
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中条 俊大 東京工業大学, 工学院, 助教 (80808618)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 超小型探査機 / ソーラーセイル / 軌道制御 / 姿勢制御 / 可変形状機能 / 軌道設計 / 三体問題 / 四体問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度まではラグランジュ点近傍の軌道に注目していたが,今年度は発展的な内容として月周回軌道の制御に関する検討も並行して行った.まず,これまでの研究で概ね確立した一軸ジンバル付きの傘型ソーラーセイルの軌道・姿勢同時制御が,比較的高高度の月周回軌道の維持に応用可能であることをシミュレーションにより確認した.またより摂動環境が厳しい低高度の月周回軌道の制御手法についても検討し,一定以上の加速性能を有するソーラーセイルなら非常に長期に渡る軌道維持が可能であることを確認した.これらの内容はそれぞれ国内シンポジウム,国際会議にて発表した. ラグランジュ点近傍の軌道については,太陽-地球系ラグランジュ点L2周りのハロー軌道間をソーラーセイルの制御により次々と遷移する軌道設計手法を考案し,計算例によりその妥当性を示した.この内容は国際会議にて発表した. 他にも,軌道・姿勢同時制御や地球-月系ラグランジュ点周りのソーラーセイル特有の新たな準周期軌道設計に関する昨年度までの研究成果を論文にまとめ,学術雑誌に投稿した. 研究期間全体を通じて,可変形状ソーラーセイルの軌道・姿勢同時制御理論の基礎部分の確立に加え,その応用ミッション策定のためのラグランジュ点近傍や月近傍の様々な軌道設計を新たに考案できたといえる.特に多数の軌道設計については推進剤フリーな軌道・姿勢制御性能を存分に活かした長期に渡る探査ミッションに資するものであり,実ミッションに応用するための基礎研究に一通り取り組めたといえる.
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] 超小型ソーラー電力セイルの開発研究と月以遠探査への応用2023
Author(s)
中条 俊大, 高尾 勇輝, 多々良 飛鳥, 中嶋 哲大, 安田 萌恵, 小林 大輝, 荒井 湧介, 渡邉 奎, 立川 璃子, 尾崎 直哉, 森 治, 宮崎 康行, 松下 将典, 杉原 アフマッド清志, 鳥居 航, 冨木 淳史, 松浦 周二, 超小型ソーラー電力セイルの開発研究RG
Organizer
第67回宇宙科学技術連合講演会