2021 Fiscal Year Research-status Report
Closed-loop Control of Hybrid Rockets Using Solid Fuels Manufactured by Multi-material Additive Manufacturing
Project/Area Number |
21K14346
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
小澤 晃平 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (90801879)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ハイブリッドロケット / 燃焼計測 / 多素材3Dプリント / 旋回流 / 燃焼可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、円筒形状のロケットエンジンでの燃料後退検知の実証と、提案するセンサ構造の破壊可視化計測を行った。 ロケットエンジンでの実証は、燃料後退速度の変調が可能なエンジン形態の一つである強度可変酸化剤流旋回型(A-SOFT)を採用した。実験は後退速度特性の取得も目的とした。現有の3Dプリンタは円筒形状固体燃料の多素材造形精度が低いため、固体燃料は分割製造してセンサ部のみ多素材造形とするなど、製作効率の悪化リスクをできるだけ排除した。また、高圧燃焼による気密とエンジン構造からの絶縁を両立できる小型電極ポートの構造を考案し、この構造を適用した燃焼器を試作した。 実験の結果、燃焼中の気密保持と電圧の取り出し双方に複数回成功した。センサによる燃料後退検知については、部分的成功となった。燃焼時間中盤の正確な燃料後退検知には失敗したが、最初と最後のセンサ構造の破壊は、明確な電圧変化として確認できた。また、異なる位置に配置したセンサの電圧時間履歴は、局所燃料後退速度の差が反映され明確な差が出た。時空間燃料後退速度特性は研究代表者らによる既往研究で提案する経験式でよく近似することができた。また、固体燃料の分割製造によって、時間平均燃料後退速度の軸方向分布を容易に取得することができた。 センサ構造の破壊可視化については、観察窓視線方向に対面する燃料壁面にセンサ構造を配置し、バックライトを当てて固体燃料が破壊される様子を観察した。燃焼圧は1.8気圧程度であった。センサ構造を有する面を側面から見た従来の可視化計測からの推察とは異なり、センサ構造中の破壊構造が部位別によく可視化された。これにより、従来の可視化で観察された固体燃料からの飛散物が、従来の推察とは異なるセンサ構造部位に由来することが明らかとなった。また、梯子構造部位の破壊プロセスが可視化されたなど、様々な知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
円筒形状固体燃料の製造に課題が多く、A-SOFTの燃焼実験に時間を費やした。このため燃焼実験燃焼後の固体燃料をスライスして内部状態を観察すること、組成分析を行うことに着手できていない。また、円筒形状固体燃料の燃料後退検知が予想とは異なり不完全な検知となったため、その原因の特定と解決が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
A-SOFTで燃料後退検知が不完全であったため、その原因を特定する。具体的には気密試験によるセンサ特性の圧力依存性の計測から着手し、その後、大気圧燃焼によるセンサ特性の温度依存性の計測を行う。これらの実験からセンサ電圧の補正モデルや、依存しないセンサ構造を考案するなど、計測手法の改良を行う。 また、研究代表者が次年度から長期の在外研究を行うため、固体燃料の内部状態観察は帰国後に実施する。また、上記の課題解決の試みは研究補助者と緊密に連携しつつ実施する。
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Research Products
(3 results)