2022 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the mathematical structure of resilience in aircraft operation using stochastic dynamical systems theory
Project/Area Number |
21K14350
|
Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
山田 健翔 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 研究開発員 (10866627)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | パイロット訓練 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和四年度はCompetency-Based Training (CBT)で取得されたデータ(インフォームドコンセント取得済み且つ倫理審査通過済み)について、レジリエンスの成長過程の変数として用いられる定量的に計測可能な数値指標を検討した。 定量的に計測可能な数値指標として、運航訓練中に遭遇した事象に対処するための行動それ自体の数がある。(CBTでは、操縦桿の操作といったテクニカルな要素だけでなく、意思疎通、意思決定、状況認識、ワークロード管理などのノンテクニカルな要素も含む。むしろ、機長のコンピテンシーとしては、そういったノンテクニカルな要素が多く求められるため、行動としてもノンテクニカルなものが多く存在する。)その行動が最善の選択肢だった場合をA、それ以外の場合をBとラベル付けすると、後者の数値指標Bが成長の度合いを記述する変数として有力な指標であると明らかになった。本内容は論文誌に投稿・査読中のため結果の詳細は控えるが、指標Bの時系列に沿った振る舞いはパイロット訓練における成長の定義として自然な解釈ができることが示唆されている。 「不確実性・変動性を有する環境下で安全な運航を実現する能力」として定義されるレジリエンスの成長過程を定量的に把握するには、まず成長の度合いと密接に関連する定量的な数値指標を把握することが重要である。従って、パイロット訓練における成長として自然に解釈可能な数値指標が明らかになったことには意義がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和四年度はおおむね当初の計画通りに遂行できた。目標としていたレジリエンスの成長過程に適用可能な確率変数の抽出に向けて、昨年度の結果を基に数値指標の分析を進めたことで、パイロット訓練における成長として自然な振る舞いを示す数値指標が明らかになった。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和五年度は、引き続き運航中に計測可能な指標からレジリエンスの成長過程を説明可能な確率変数の検討に取り組むとともに、次の段階である成長過程のモデル化に向けて、個々の成長過程を分析する予定である。引き続き訓練教官である機長の方々と綿密に摺合せを行い、一致した解釈が得られるよう慎重に進めていく予定である。
|
Causes of Carryover |
査読中の論文が今年度中に受理されなかったため、オープンアクセス費用が繰り越された。 査読は継続中であるため、受理され次第オープンアクセス費用として使用予定。
|