2021 Fiscal Year Research-status Report
Experimental modeling of hydrothermal fluid flow focusing on velocity field
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21K14360
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
井原 智則 東京海洋大学, 学術研究院, 助教 (70767350)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 海底熱水鉱床 / 超音波流速分布計 / 音速 / 高温高圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初予定していた研究計画のなか、初年度においては、まず、温度勾配による超音波ビームの振る舞いについて検討を行った。温度勾配は、噴流噴出直後の高温と周囲の海水からの冷却に伴うもので、当然、水物性の変化に伴い、音速が変わり、大まかにはスネルの法則に従いビームの偏向等が懸念される。これら評価を行うために、新たに高温高圧音速計測セルを作製し、文献値が得られる純水での評価試験を行った。評価試験の結果、音速は5%以下の誤差で評価できることが明らかになったため、既航海においてサンプリングを行った熱水の高温高圧下における音速を評価した。また、人工海水についても分析を行い、熱水サンプルとの比較をした。その結果、当該熱水については、人工海水と大きく変わらないデータが得られており、サンプリング時に周囲の海水を巻き込んでいることが考えられる。そのため、今後の航海にて新たに熱水サンプリングを行うことを計画する。上記実験と並行して、エタノールを使って音速勾配をつけた体形にて実験と超音波伝播シミュレーションを行い、計測精度に関する検討を進めた。実験体系においては、ビーム幅に対して、勾配が大きいことがあり、特異な挙動が観測されたので、今後この振る舞いについて詳細に検討を進める必要が示唆された。 また、熱水噴流の温度分布を調べるためにメッシュ状に温度センサ部を配向したモニタリング装置を開発することとを本課題では計画している。この装置では、熱電対素線を縦横に配向させたメッシュ構造として、電子回路による切替によって、その接点温度を読み取ることを企図している。現時点で、基本的な試験は行っているが、計測効率の向上や精度に関する検討を引き続き行い、次年度の航海に供することとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定していた項目を十分にこなしており、本研究課題を遂行するにあたりその基盤となる実験環境を整えることが出来た。また、初年度の検討により、今後の方向性が示唆されたこともあり、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度においては、航海の機会が得られていることから、まず、実地での効率的なデータ取得を行う事に注力し、航海後は得られた知見とこれまでの方針に従い、効率的に研究課題を遂行する。
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Causes of Carryover |
次年度に航海の機会が得られる見込みになったことに伴い、必要な経費を捻出するために、実験計画を一部変更し、次年度使用額を生じさせた。
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Research Products
(1 results)