2021 Fiscal Year Research-status Report
Flow Analysis around a Offshore Structure and Managed Ice Floes for Arctic Resource Development
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21K14364
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
長谷川 賢太 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (20772130)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 極地工学 / 海氷 / 小氷盤群 / 氷荷重 / 移動境界流れ |
Outline of Annual Research Achievements |
北極圏には石油や天然ガスといった資源が豊富に存在しており,氷海域における資源開発も行われている.海洋資源開発のための構造物は,大小の氷盤群と干渉して力を受けるが,着底式の構造物とは異なり,今後さらなる使用が期待される浮体式構造物では過度な動揺がパイプラインや係留系に損傷を及ぼし事故につながる.また,安全性評価においては構造物に作用する荷重に加えて構造物の動揺も評価することが求められ,動揺に伴う流場の変化やそれに基づく氷盤の挙動を精度良く推定し,構造物に作用する荷重を評価することが重要となる.そこで本研究では,流場を介した浮体動揺と氷盤挙動の相互干渉影響を明らかにすることを目的として,離散要素法による物体運動解析と格子ボルツマン法による流場解析を埋め込み境界法で連成さえた数値計算手法を開発し,模擬氷による水槽試験の実施や過去の実験で得られたデータを用いて検証を行う. 本年度は,流場解析に用いられる格子ボルツマン法の緩和時間による不安定性の改善が提案された改良スキームによる高密度比の気液二相流の計算プログラムを作成した.また,次年度以降に実施予定の水槽試験で使用する模型を用いて摩擦試験を実施し,模擬氷として想定されるポリプロピレンやベニヤ板との摩擦係数を計測した.これにより,計算に必要な基礎的なパラメータを取得できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度に計画していた開発したプログラムでの自由減衰シミュレーションによる検証まで至ることができなかったが,流場解析に必要な計算プログラム開発がほぼ完了したことから,やや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに作成した離散要素法と格子ボルツマン法の統合を進め,自由減衰シミュレーションによる検証ならびに,模型の動揺を考慮しない固定状態での曳航試験および数値計算を実施し,計算プログラムの制度検証や改良を行う.
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Causes of Carryover |
当初,模擬氷として使用を予定していたポリプロピレンの材料費高騰などにより試験計画の再検討を行い模擬氷の購入を見合わせたため,次年度にポリプロピレン以外の材料,例えばベニヤ板などを用いた模擬氷を購入する予定である.
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