2021 Fiscal Year Research-status Report
フードデリバリーにおける注文のバッチサイズを動的に決定するアルゴリズムの開発
Project/Area Number |
21K14368
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
高澤 陽太朗 青山学院大学, 理工学部, 助教 (20871130)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | フードデリバリーサービス / 数理最適化 / 近似アルゴリズム / フードテック |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、以下の成果を得た。下記の結果は国内の研究集会で発表した。また、成果(A)をまとめたものは学術論文誌に掲載された。 (A) フードデリバリーサービスにおけるシフト最適化問題に対する近似アルゴリズムの研究 一部のフードデリバリーサービスでは、配達員をシフト制とクラウドソーシングの二つを利用して集める方式が取られている。本研究では、これらの二つの方式を併用する場合の配達員のシフトを決める問題を、シナリオベースの不確実性を考慮したセットマルチカバー問題としてモデル化した。この問題はNP-困難と呼ばれる問題クラスに属すため、最適解を効率的に求めることは難しい。また、この問題に対して、既存の解の精度保証のある近似アルゴリズムを適用する場合、解の精度がシナリオ数に応じて悪化するという課題があった。本研究ではこの問題に対して線形計画法を利用した精度保証付きの近似アルゴリズムを提案した。提案アルゴリズムは解の精度保証がシナリオに依存しないという利点を持っている。今回得られた結果は、本研究課題の注文バッチを決める最適化問題の前段階における人員配置部分に利用することができる。 (B) Twitterを用いたフードテックに関する消費者意識の研究 本研究課題で対象としているフードデリバリーサービスはフードテックと呼ばれる領域に分類される。フードテックは日本において強くは浸透しておらず、普及のためにはシステムの最適化といったサービスの改善はもとより、消費者側の意識の把握が重要と考えられる。本研究ではTwitterを用いてフードテック(特に代替肉)に対する消費者意識の調査を行った。結果として、代替肉に関しては道徳的価値観が消費に影響を与える可能性があることがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フードデリバリーサービスにおけるシフト最適化問題に対しては得られた成果をまとめ、論文掲載まで進めることができた。 また、当初予定していなかったフードテックに関する消費者意識の研究も論文を執筆できる段階に入りつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
フードデリバリーにおける注文のバッチサイズを決定するオフラインのアルゴリズムを開発し、実データを用いてその性能の検証を行う。
|
Causes of Carryover |
研究の進捗上、本年度に国際会議で研究発表を行う予定が変更となり、次年度使用額が生じた。国内・国際会議での研究発表および情報収集等に使用する予定である。
|