2021 Fiscal Year Research-status Report
Integrated reliability design method for large-scale systems under dependent failure environment
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21K14373
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
太田 修平 神奈川大学, 工学部, 助教 (00846462)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 信頼性工学 / 従属故障 / 冗長システム / コピュラ / 信頼性試験データ |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は研究実施計画に沿って、サブシステムの故障時刻データから、システムにおける従属故障の発生リスクを定量的に評価する手法を開発した。研究成果として雑誌論文を1件公開し、学会発表を2回実施した。具体的には (i)多変量Farlie-Gumbel-Morgenstern(FGM)コピュラのパラメータを制約下で効率よく推定する手法を開発した。多変量FGMコピュラのパラメータ数および制約式は、変量の数に対して指数関数的に増えることが知られており、従来は多変量FGMコピュラのパラメータの推定が困難であった。本研究はこの問題を解決し、開発した手法をNASA Ames Prognostics Data Repositoryで公開されているベアリングの信頼性試験データに適用し、同一シャフト上の複数のベアリングの振動データから、ベアリングの従属故障発生リスクの評価を試みた。本成果はJapanese Journal of Statistics and Data Scienceから、オープンアクセスの論文として公開した。またオンライン開催の国際会議および国内学会にて1回ずつ発表し、研究成果の普及に努めた。 (ii)FGMコピュラの代わりに、より汎用的なコピュラのクラスであるファクターコピュラを用いた従属故障の分析手法の開発を進めた。その中で、ファクターコピュラから着想を得ることで、新たなコピュラのクラスを発見し、その性質についてまとめた論文1件を学術雑誌に投稿した。新たなコピュラはパラメータの推定が困難であるという課題があるが、データ間の様々な非線形相関を表現できるため、従属故障の分析に応用できる可能性があることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は研究計画通り、ファクターコピュラを用いた従属故障のリスク評価手法の開発を概ね実施できた。これによって得られた研究成果を論文にまとめるため、現在は実データを用いた追加の実験を実施している。論文は2022年度中に投稿予定であり、本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に開発した手法の実用性の検証を行い、論文として投稿する。また、2021年度に発見した新たなコピュラを信頼性解析の手法に応用できるか調査する。論文が掲載される場合は、研究費を利用してオープンアクセスとして、研究成果を広く公開する。
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Causes of Carryover |
投稿した論文が掲載されるまでには至らなかったため、それに掛かる掲載料やオープンアクセス料に充当する予定であった予算を次年度に繰り越した。現在論文を投稿中であることから、これらが採録された際には、繰り越した金額を掲載料やオープンアクセス料として使用する。
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Research Products
(5 results)