2021 Fiscal Year Research-status Report
地震時の避難弱者の避難に貢献する状況評価機能を備えたエレベータ制御システム
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21K14389
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
三浦 奈々子 京都工芸繊維大学, 機械工学系, 助教 (80735340)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 長尺物 / 状態推定 / エレベータ |
Outline of Annual Research Achievements |
エレベータを地震時に利用(避難や建物内移動)することが可能となれば、これまで高齢者や障碍者が利用や居住をためらう高層ビルについて活用用途(例えば介護)を拡大し、利便性の高い都市開発が可能となる。本研究の目的は、現在行われている「地震時におけるエレベータの使用を禁止する対策」から「地震時にも安全で迅速な避難の実現に道を開く、地震動の種類や大きさに応じてエレベータ安全使用を確保する対策」への抜本的転換手法を提案することである。 地震動により励起された建物の振動(エレベータシステムへの外乱となる)だけでなく、エレベータのかご室の昇降により各種滑車とかご室の間の長さの変化するエレベータロープの振動特性も時間変化する。このような状況でエレベータロープの振動を制御するためにはまず、エレベータロープの状態推定精度が重要となる。2021年度は2種類のセンサ(各1個)で最大200 mとなるロープの振動状態(上端から下端までの振動形状など)を推定する方法を検討した。具体的にはかご室から巻上機までのメインロープに対して、巻上機近傍での振動から振動モードごとの寄与に基づき推定する方法と、かご室から下に伸びるコンペンロープに対して、コンペンシーブ(下側のプーリー)の上下動から振動モードごとの寄与に基づき推定する方法から成る。数値シミュレーションによる推定手法の精度検証を完了し、振動実験での検証に用いる高さ約2 mの縮小試験体を設計した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
メインロープとコンペンロープの振動形状をそれぞれ1つのセンサデータにより推定する方法を立式し、数値シミュレーションを用いての検証を完了した。当該内容は国内学会にて発表したが一方で、当初、令和4年度に速やかに実証実験が開始できるように、振動実験に先立ち令和3年度後期に加振器等を購入し、セットアップを完了する予定であったが、納入が遅れており令和3年度に完了できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
実験資材が納入され次第、実験による推定手法の有効性の検証を行う。また、2021年度に行った推定をフィードバックするアクティブ振動制御理論を完成させ、数値シミュレーションによる検証を行う。
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Causes of Carryover |
納入に必要な期日が4か月弱となり、年度内に納品および支払が完了しなかったため令和4年度にその他のセンサー類購入費用とともに支出する。
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Research Products
(2 results)