2023 Fiscal Year Research-status Report
地震時の避難弱者の避難に貢献する状況評価機能を備えたエレベータ制御システム
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21K14389
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
三浦 奈々子 京都工芸繊維大学, 機械工学系, 准教授 (80735340)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | エレベータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は地震時避難や大地震後に頻発する余震の中で、超高層建物のエレベータの使用を可能とするためのエレベータの運用方針の策定、およびそれに必要な振動制御手法の提案を目的とする。2023年度は提案する振動制御フローを数値解析により検証した。振動制御の評価はエレベータ運行のためのロープの振動振幅について行った。振動制御に必要となるロープの状態を取得する新しい方法として、機械室あるいはコンペンシーブ近傍に設置されたカメラ1つによるロープ振動の推定方法を2種類(バンドパスフィルタによるものと、短時間フーリエ変換によるもの)提案した。1つ目の手法ではロープ一端の振動変位に窓関数と固有振動数成分抽出のための1~3次用のバンドパスフィルタをかけることでモード振動を復元した。そして、バンドパスフィルタによる遅れをロープの振動数を読み取り、波形延長により戻す方法を考案し、有効性を示した。ただし、変化の大きい外力に対しては振幅のずれが生じることがあった。また、2つ目の手法でかご室昇降中の推定に挑戦し、地震時に低速昇降している場合については推定可能であることを示した。2つ目の手法は短時間フーリエ変換によるもので、かご室の昇降によりロープ長が時々刻々と変化することにより固有振動数が変化することを利用し、固有モード成分を抽出をするものである。カメラにより取得した1点の変位をこの抽出した固有モード成分の比率により分配し、波形を復元した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
振動ゆれの検出方法について新たな着想を得たため、その検証も含めて論文にまとめようとしたところ、スケジュールがおしてしまった。 国際会議に採択されたが発表時期が次年度の7月となったため、延長の申請を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までに提案した推定手法(鉛直振動と水平振動の連成を用いた推定)と、2023年度の提案を併せたシステムの構築と検証を行う。総括としての論文を発表する予定である。
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Causes of Carryover |
国際会議(申込締切2023年5月31日)の発表が2024年6月末となったため。その渡航費と、研究を総括する論文投稿のための英文校閲費と掲載費に充てる。
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