2021 Fiscal Year Research-status Report
Ti-Ni基合金における中間相転移の起源解明と工学的応用の模索
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21K14394
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 雄太 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (10825847)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 形状記憶合金 / 前駆現象 / プレマルテンサイト / 低温工学 / Ti-Ni基合金 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、Ti-Ni基合金を対象年マルテンサイト変態前に生じるCommensurate-Incommensurate(C-IC)転移の本質とマルテンサイト変態の熱力学的特性(構造相転移温度やエントロピー変化)を明らかにすることを目的とする。またTi-Ni基単結晶材を用いて超弾性特性の結晶方位依存性を調査し、中間相転移の工学的応用を探索する。 まず試料としてブリッジマン法により育成した単結晶を用意した。この単結晶を電子線マイクロアナライザーにより組成分析したところNiが高濃度である事が判明した。またブリッジマン法で育成した単結晶試料は不純物として炭化チタンを含んでおり、まず中間相転移を調査するために最適なNi組成の探索を行なった。熱処理によりNi組成を調整した単結晶試料に対して超音波測定を行った。今回の測定は室温から4Kまで温度を変化させ測定を行った。これにより中間相転移の存在する温度領域でヒステリシスの小さいピークが観察され、さらに温度が低下しマルテンサイト変態が生じる温度領域でピークが発散する結果が得られた。 今回確認した知見を元に、不純物を含まない高品質な単結晶試料を育成し中間相転移の熱力学特性及び機械特性を明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
中間相転移及びマルテンサイト変態の熱力学的特性(構造相転移温度やエントロピー変化)について実験データの蓄積は出来た。一方で、高品質の単結晶試料を育成するため、浮遊帯溶融法(FZ法)により育成を試みたが育成条件の最適化が芳しく、低温における超弾性特性の結晶方位依存性の調査まで進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では、浮遊帯溶融法(FZ法)による単結晶育成のための条件を最適化すると共に、収束電子回折(CBED)法により中間相の結晶格子の歪みや対称性、従来のマルテンサイト相と比較を行う。さらに超音波測定による弾性定数の測定等を行い、中間相転移の本質を理解するべく研究を推進する。
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