2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel CFRP by establishing double network structure of electrically conductive polymer and thermosetting resin
Project/Area Number |
21K14416
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
後藤 晃哉 山形大学, 有機エレクトロニクスイノベーションセンター, プロジェクト教員(助教) (10570864)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 導電性高分子 / 導電性熱硬化樹脂 / 膨潤 / CFRP |
Outline of Annual Research Achievements |
加熱混合やロールミル処理、ビーズミル処理を組み合わせた簡便な手法によって、導電性高分子ポリアニリン(PANI)/ドデシルベンゼンスルホン酸/フェノール樹脂からなる複合微粒子を作製した。スチレン誘導体中に添加したPANI複合微粒子は室温では形状を維持し続けるが、フェノール樹脂の軟化点以上で加熱することでPANI複合微粒子が膨潤するようになり粒子径が拡大した(加熱前4.3μm→加熱後6.3μm)。また、120℃でのカチオン重合開始剤兼ドーパント剤としてパラトルエンスルホン酸を用いた、PANI複合微粒子/PTSA/スチレン誘導体(20:7:73重量比)ペーストにおいて、軟化点80℃のフェノール樹脂を用いたものは80℃1時間の加熱によって微粒子の膨潤に伴い粘度が上昇した(加熱前3Pa.S→加熱後188Pa.S)。一方、比較として軟化点120℃のフェノール樹脂を用いたものでは顕著な粘度上昇は見られなかった(加熱前3.3Pa.S→加熱後5.6Pa.S)。これら2種類のサンプルを120℃1時間で加熱硬化させて導電性を測定すると、PANI複合微粒子が膨潤した硬化物の方が1桁高い導電性を示した(2.1×10-2S/cm)。以上の結果から、PANI複合微粒子/スチレン誘導体は、無溶媒でありながら室温では膨潤抑制によって比較的低粘度で安定して保存でき、段階的な加熱により導電性高分子/熱硬化樹脂ダブルネットワーク構築が誘起されて高導電性を発現できることを明らかにした。さらに、PANI複合微粒子/スチレン誘導体を用いた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を試作したところ、従来エポキシ樹脂よりも高い導電性を有する良好なCFRPが作製できた。
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Research Products
(3 results)