2021 Fiscal Year Research-status Report
Mechanism and control principle of dislocation generation in late-stage of martensitic transformation
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21K14426
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
寺本 武司 神戸大学, 工学研究科, 助教 (10781833)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 形状記憶合金 / マルテンサイト変態 / マルテンサイト変態過程 / 自己調整組織 / マイクロメカニクス / βチタン形状記憶合金 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では形状記憶合金が動作する際に発生する転位の発生機構及びその制御方法を解明することを目的とする.本年度では繰り返し動作時に発生する転位の観察を目的として研究を実施した.当初の予定ではTiNiPd形状記憶合金をモデル材として採用する予定であったがマルテンサイト組織を構成する結晶の大きさが小さく転位観察が困難であったため合金系をTiNbAl合金に変更した.また変更に伴ってTiNbAl合金の組織形成過程初期の応力状態マイクロメカニクスを用いて解析したところ,TiNbAl合金においても組織形成初期において転位発生が少ないと考えられる構造が選択的に形成されていることが分かった.この結果は申請者が推察する転位の発生機構が合金系に依存しないことを支持する結果である.この結果は英文雑誌であるMaterialia 22(2022) 101420に掲載された.当初の計画では形状記憶合金が繰り返し動作した際の転位の蓄積を示差走査熱量分析(DSC)により変態点の変化により調査する予定であったがTiNbAl合金では明確に変態ピークを観察できないため電気抵抗測定により変態温度変化を観察することとした.そのために必要な温度調節ステージ及び4端子法による電気抵抗率測定装置を作製した.次年度は作製した装置により繰り返し動作をした際の変態点の変化の測定を実施し,電子顕微鏡により蓄積された転位の観察を実施する.また有限要素法を用いた応力分布解析と比較することにより,実際の組織における転位の分布と応力分布の関係を比較する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題では当初TiNiPd形状記憶合金を用いて研究を遂行する予定であったが,対象の微細組織のスケールが小さく課題遂行上の問題となったため合金系をTiNbAl合金に変更した.そのため必要な予備解析や装置及び実験方法に変更があったが,それらの問題は本年度中に解決することができた.そのため初年度に目標として掲げた項目を全て達成することはできなかったが遅れは軽微である.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は有限要素法による数値実験と電子顕微鏡による組織観察結果の比較を実施する予定である.シミュレーションに際して本年度実施したモデル合金系の変更により予備解析等が別途必要であるがそのほとんどは本年度中に完了しているため研究を遂行する上での大きな問題にはならない.
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Research Products
(1 results)