2023 Fiscal Year Research-status Report
Ptナノシートで構築される三次元構造体の創製と基礎物性解明および電極触媒応用
Project/Area Number |
21K14462
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
滝本 大裕 琉球大学, 理学部, 准教授 (60806529)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ナノシート / 2.5D触媒 / 電極触媒 / 燃料電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、O2還元反応活性と耐久性が優れる燃料電池用電極触媒の開発である。そのために、(1)Ptメタルナノシート創製による二次元形態効果の解明、(2)Ptナノシートを骨格とする三次元構造体を創製する。 Ptナノシートの合成に関して、2022年度までにPtナノシートがナノ粒子より活性と耐久性が高いことを明らかにした。しかし、炭素担体に担持する際にナノシートが凝集してしまう課題が見つかり、2023年度の検討課題に設定した。この課題を解決するために、カーボンナノチューブを導入した触媒調製に取り組んだ。用いるカーボンナノチューブの量を調整することで、Pt利用率が高まることを明らかにした。また、カーボンナノチューブの分散性や界面活性剤を用いない溶液中での合成がポイントであることを見出した。さらに、高活性化の要因理解を進めるために、重水を用いて電極触媒反応を検討した。その結果、酸素種がPtナノシート表面に強く吸着せず、活性サイトを阻害しないことがわかり、これにより高活性化していることを見出した。 三次元構造体の合成に関して、2022年度までに合成条件を見直し、Pt前駆体を高められる炭素表面の物性を明らかにした。2023年度は得られた触媒の活性評価を行い、Pt利用率が高まることを明らかにした。Pt前駆体を炭素表面に高担持するためには、炭素表面の官能基が重要であることを明らかにした。さらに、合金系触媒の調製に取り組み、従来合金ナノ粒子触媒の2倍高い比表面積であることを明らかにした。触媒活性の評価について、評価系の最適化が必要であることがわかり、現在取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナノシートおよび2.5D触媒の合成と評価が着実に実施されていることから判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
Ptナノシートの合成と評価については目標を達成できているため、2.5D触媒の調製に注力する。表面ゾルゲル反応によりPt層が炭素表面で形成していると予想しているが、それに関するモデル実験を実施する。並行して、さらなる高活性化を目指し合金系2.5D触媒の開発に取り組む。
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Causes of Carryover |
次年度にまとめて購入したい物品があったため。
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