2023 Fiscal Year Annual Research Report
複合クラスター化を利用した高耐久性自動車触媒の創製
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21K14463
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
林 峻 独立行政法人国立科学博物館, 理工学研究部, 研究員 (80869446)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 触媒 / クラスター / ナノ材料 / 自動車触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
あらかじめRhをMo酸化物と複合クラスター化して調製したRh-Mo触媒が、自動車排ガス浄化反応において高い耐久性を示すことを見出している。本年度は、種々の検討結果を踏まえ、複合クラスター化による高耐久化の起源を明らかにした。 複合クラスター化による触媒調製で形成されるRh/MoOx界面サイトは、反応雰囲気のCOによって容易に酸素空孔を生じることを見出した。in situ DRIFT測定による触媒表面の活性種の評価によると、一般的なRh-Mo触媒では吸着NO種が観察されるのに対し、複合クラスター触媒では窒素還元種(-NCO)が観察された。したがって、複合クラスター化による高耐久化の起源は、Rh/MoOx界面サイトが高密度に形成されたことで、一般的なRh-Mo触媒とは異なる機構で反応が進行する点にあると結論づけた。 複合クラスター化を利用したRh-Mo触媒の耐久性の向上とその起源について論文として報告した(ACS Mater. Au. 2023, 3, 456-463)。同様に、Ir-Mo触媒について複合クラスター化を利用した触媒調製がもたらす効果を検討し、ニトロ基選択的水素化反応における選択性の向上について論文として報告した(ACS Org. Inorg. Au. 2023, 3, 283-290)。
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