2021 Fiscal Year Research-status Report
ナノLC/MSを用いた高感度・高深度単一細胞メタボローム分析法の開発
Project/Area Number |
21K14472
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中谷 航太 九州大学, 生体防御医学研究所, 学術研究員 (70880748)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | シングルセルメタボロミクス / メタボロミクス / ナノ液体クロマトグラフィー質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代シーケンサーの登場によって、単一細胞から核酸の解析が可能になりシングルセル解析が注目を集めている。一方、これまでの代謝研究では100万細胞以上を対象とした大量細胞での平均的観測が為されており、単一細胞から100細胞以下の微量細胞試料の測定は困難であった。本研究の目的は、単一細胞から100細胞以下の微量細胞試料からのメタボローム解析方法を開発することである。上記の目的達成のために3つの課題を設定した。1つ目が幅広いメタボロームの分離のための液体クロマトグラフィー手法の開発、2つ目が液体クロマトグラフィー質量分析 (LC/MS) システムの高感度化、3つ目が開発した手法の超微量細胞試料への応用である。2021年度は1つ目と2つ目の課題に取り組んだ。 現状のメタボローム分析法では、親水性代謝物の中でも陽イオン性や陰イオン性のように電荷の異なる代謝物の包括的な同時分離分析は困難であり、さらに、親水性代謝物と疎水性代謝物 (脂質) の同時分離分析は達成できていない。1つ目の課題に対して、代表者は、アミノ基混合ポリマー粒子充填カラムを開発し、これを用いて親水性相互作用と陰イオン交換相互作用が連続段階的に作用する新しいLC手法 (unified HILIC/AEX法と命名) を開発した。本手法では、これまで困難であったメタボローム解析を親水性代謝物と脂質の区別なく単一分析で実施可能でとなった。 一般的なLC/MSの高感度化の方法として、カラム内径の細小化がある。2つ目の課題に対して、代表者は、開発したアミノ基混合ポリマー粒子を内径100 minromのキャピラリーチップに充填した自作ナノLCカラムを用いてナノLC/MS分析システムを構築し、超高感度メタボローム分析手法を開発した。汎用法と比較して、開発したナノLC/MS法では平均で約40倍の感度向上が達成された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題では、3つの課題を設定した。1つ目が幅広いメタボロームの分離のための液体クロマトグラフィー手法の開発、2つ目が液体クロマトグラフィー質量分析 (LC/MS) システムの高感度化、3つ目が開発した手法の超微量細胞試料への応用である。2021年度は1つ目と2つ目の課題に取り組み、2つ目がおおむね完了した状況である。今後は、2つ目の分析法の再現性や耐久性評価といった分析バリデーションと細胞試料への応用に取り組む。
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Causes of Carryover |
分析機器使用にかかる消耗品代を予算に組み込んでいたが、本年度では使用した装置において機器の不具合がほとんどなく、次年度に起こりうる装置故障により柔軟に対応できるように使用額を繰り越した。旅費についてはリモート開催のため使用しなかった。
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Research Products
(2 results)