2021 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis and Nano-crystallization of Inetermetallic compounds for Catalytic Applications
Project/Area Number |
21K14494
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
魯 楊帆 東京工業大学, 元素戦略研究センター, 特任助教 (70897248)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アンモニア合成 / ニッケル系触媒 / 窒化物 / 窒素欠損 |
Outline of Annual Research Achievements |
アンモニアは化学肥料などの原料になることから近年より温和な環境下でのアンモニア合成反応が注目を集めている。その一例がエレクトライド触媒である。エレクトライドは低い仕事関数等の特徴的な電子特性を有し、吸着した窒素原子に電子を供給することで窒素窒素三重結合を弱め、伝統的なハーバー・ボッシュよりも低い反応温度と圧力下で高効率アンモニア合成を実現した。しかし、エレクトライド触媒では一般に高価なRuが使用されることから、ユビキタス元素からなる高効率アンモニア合成触媒の創成が望まれている。 本研究ではCeNとCoを組み合わせることでレアメタルフリーなアンモニア合成触媒を実現した。また、アーク気相反応法を用いてCeNナノ粒子を合成し、高い比表面積を有するCo/CeNの開発も行った。Co/CeN触媒の反応効率は360 °C、0.1 MPaの反応条件下で5.8 mmol/ghであった。また、アンモニア合成の活性化エネルギーは42.6 kJ/molとRu/MgO等の酸化物触媒(~100 kJ/mol)よりはるかに低いことから、Co/CeNは特に低温で力を発揮する触媒と言える。 Co/CeN触媒は反応メカニズムも特徴的である。具体的に、申請者らは本研究において、通常のdissociative機構の他にCeNの窒素が反応に寄与するassociative機構がCo/CeN触媒において協奏することを見出した。dissociative機構ではCo上に窒素分子が吸着され、熱エネルギーによって分裂する一般的な反応メカニズムであり、associative機構では吸着水素がCeNの窒素と直接反応する。上記の機構では活性サイトが空間的に分離していることからお互い対立せず、より高い反応効率が実現した。 今後の課題として、CeNは空気中水中で不安定であることから当該触媒の化学的安定性向上などが挙げられる。
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Research Products
(3 results)