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2021 Fiscal Year Research-status Report

軌道運動を利用した半導体中スピンの全光操作

Research Project

Project/Area Number 21K14528
Research InstitutionTokyo University of Science

Principal Investigator

石原 淳  東京理科大学, 理学部第一部応用物理学科, 助教 (50801156)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2023-03-31
Keywords電子スピン / スピン軌道相互作用 / 半導体量子構造 / 全光操作
Outline of Annual Research Achievements

半導体ではスピンと光の偏光の相関によってスピンの光生成や光検出が可能である。一方で、半導体中でのスピンの局所的な操作には、有効磁場として働くスピン軌道相互作用が利用できる。特に化合物半導体の二次元構造ではラシュバとドレッセルハウスの2つのスピン軌道相互作用が働き、その2つのバランスを変えることでスピンの空間分布が制御できる。ここでは構築した時間-空間分解カー回転測定系に制御用のレーザー光路を追加し、制御光を照射したときのスピンの時空間ダイナミクスを調べた。試料には片側変調ドープのGaAs/AlGaAs単一量子井戸を用いた。バンド間吸収の起きないCWレーザー光を制御光として照射した結果、スピンの空間分布の変化が観測された。この時、発光励起スペクトルと発光スペクトルのエネルギーシフト量は光強度の増大に伴い大きくなっていることがわかった。つまり、光照射によって量子井戸内のキャリアが増加したということである。今回用いた制御光はバンド間遷移によってキャリアを光励起することはないため、これはドープ層に残存するキャリアが井戸内に流入したことが原因と考えられる。そのため、今回観測されたスピン空間分布の変化は、制御光照射に伴い量子井戸の非対称性が増大したことでラシュバスピン軌道相互作用が変調されたことに起因すると考えられる。光強度によってこの変調量を制御できれば光によるスピン状態の操作が可能になる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

上述の通り、光学的なスピン制御のための光路を構築した時間-空間分解カー回転測定系に追加し、測定基盤は整った。また、らせん型半波長板や空間光変調器による光渦の生成も確認できた。キャリアを励起しない波長の光によるスピン軌道相互作用の変調の可能性が示されたため、光照射によるスピン軌道相互作用の変調量を明らかにしたのち、軌道制御を試みる。

Strategy for Future Research Activity

光励起した電子スピンを光で操作し、そのスピン状態を光で読み出す。軌道角運動量を持った光による制御の前に、現状のガウスビーム照射で観測されたスピン空間分布の変化について解明する。照射する光強度を変えながらスピン緩和時間を測定し、スピン軌道相互作用の変調量を定量する。さらに軌道角運動量を有するラゲールガウスビームを用いて電子スピンの経路制御を実証する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 軸対称偏光を利用したスピン偏極の円状パターン励起とスピン分布の時間発展の観測2021

    • Author(s)
      森貴親, 鈴木拓也, 石原淳, 好田誠, 大野裕三, 大野英男, 宮島顕祐,
    • Organizer
      第82回応用物理学会秋季学術講演会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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