2023 Fiscal Year Annual Research Report
ホイスラー型ワイル磁性体薄膜の電子構造解明と熱電能の増強
Project/Area Number |
21K14540
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
角田 一樹 広島大学, 放射光科学研究センター, 特任助教 (20882369)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ホイスラー合金 / ワイル磁性体 / 角度分解光電子分光 / スピン分解光電子分光 / 共鳴光電子分光 / ハーフメタル / 異常ネルンスト効果 / スピン・角度分解光電子分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホイスラー合金はX2YZの組成式で表される典型的な金属間化合物である。X, Y, Zの各サイトにはさまざまな元素を配置することが可能であり、膨大な数の元素の組み合わせが存在している。本研究では特に巨大異常ネルンスト効果が観測されているCo基ホイスラー型ワイル磁性体薄膜に着目し、電子構造をバルク敏感な軟X線光電子分光と表面敏感な真空紫外線光電子分光、および第一原理計算によって調べた。 まず、室温・ゼロ磁場において最大の異常ネルンスト伝導度が観測されているワイル強磁性体Co2MnGa薄膜について軟X線角度分解光電子分光を行ない、巨大熱電能を引き起こしているトポロジカルに非自明なバルクの電子構造を実験的に明らかにした(Phys. Rev. B誌に掲載)。また、ワイル強磁性体候補物質Co2FeSi薄膜について軟X線共鳴光電子分光を行い、第一原理計算結果と比較することでオンサイトクーロン相互作用の大きさに関する実験的な知見を得ることにも成功した(Phys. Rev. B誌に掲載)。同様の共鳴光電子分光測定はCo2MnSi, Co2(Fe,Mn)Si薄膜についても行なっており、これらの系の価電子帯電子構造における電子相関効果は小さいことを明らかにした(論文執筆中)。スピン偏極率100%のハーフメタル強磁性体であることが予測されているCo2MnSi薄膜については、真空紫外放射光を用いたスピン・角度分解光電子分光測定も行い、表面バンド分散やスピン偏極率の温度依存性を詳細に調べた。その結果、ブロッホのT3/2則に従ってスピン偏極率が低下していることを実験的に見出し、熱励起マグノンがスピン脱偏極機構に重要な役割を担っていることを明らかにした(論文投稿中)。また、Co基ホイスラー合金の電子構造と機能性についての解説記事を執筆した(固体物理に掲載)。
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[Presentation] Ultrafast Spin-Dependent Dynamics in a Carrier-Tuned Topological Insulator2024
Author(s)
K. Sumida, K. Kunitomo, M. Kakoki, K. A. Kokh, O. E. Tereshchenko, J. Reimann, J. Guedde, U. Hoefer, K. Miyamoto, T. Okuda, and A. Kimura
Organizer
The 28th Hiroshima International Symposium on Synchrotron Radiation
Int'l Joint Research
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