2021 Fiscal Year Research-status Report
A study on optical likelihood estimation for packet switching architecture in next generation
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21K14557
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Research Institution | Okinawa National College of Technology |
Principal Investigator |
相川 洋平 沖縄工業高等専門学校, 情報通信システム工学科, 助教 (80804616)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 光信号処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,光信号を光のままで識別することにより,メモリを必要としないパケットスイッチの実現を目指すものである.当該年度においては,実現の要となるラベル識別機能を対象として,動作要求条件の導出および実デバイスの設計・製作に着手した. はじめに,光ファイバを用いて提案機能システムを実装するとともに,干渉光が識別動作に与える影響について評価を行った.その結果,理論値と一致する性能が得られるとともに,設計値から外れた際にも性能が維持されることを確認した. つづいて,得られた知見に基づいて当該機能の集積デバイス化に取り組んだ.10 Gbaudの時間信号を対象としたラベル識別デバイスとして,シリコン細線導波路からなる遅延干渉計を設計・製作した.導波路は1550 nm波長を対象としてTE偏波光がシングルモード伝搬する条件として設計を行った.作製されたデバイスは0.4×2.0 mm2の矩形に収まるものであり,当研究室比で1/5000に相当する素子サイズの縮小に成功した. さらに,4-bit符号に対するラベル識別動作の実証に取り組んだ.10 GbaudのQPSK光信号をデバイスに入力することで,対象ラベルとの尤度が光強度に変換されて出力されることを確認した.このことから,光処理でのラベル識別動作を実証することができた.なお,当該デバイスの位相バイアスを変更することで,同一デバイスを用いて異なるラベルの識別にも成功することができた.これにより,メモリを必要としないパケットスイッチにおける要素技術の確立に貢献することができたと考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一年目は,ラベル識別デバイスの集積デバイス化と性能評価を到達目標に設定していた.これに対して今年度においてすべてを達成することができた.従って,取り組みは順調に進展しているものと評価している.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定とは異なる方針で進めていくことを考えている. 計画上では,今後においてデバイスのアレイ化に取り組む予定であった.しかしながら,一年間の取り組みを通してアレイ化における技術的な課題が少ないことが分かってきた.何より,単一デバイスを並列に複製することで実現できてしまうことから,この取り組みは挑戦的でない様に感じられる.そこで,識別ラベルの変調方式を拡張する方向に舵を切る.具体的には,OOK信号やPAM4信号に適応できる形として手法全体を改修することに取り組んでいく.デバイス提案に留まらず,実デバイスの設計・製作までを検討対象としていきたいと考えている.
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Causes of Carryover |
当初予定していた集積デバイスの製作が異なる予算を用いて実現された.これにより,今回の次年度使用額が発生した.こちらについては,本年度のデバイス製作費用に充てるとともに,変調方式を拡張する際の測定環境の構築に使用することを考えている.
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