2022 Fiscal Year Annual Research Report
特殊装置を使用しない不斉金属触媒的固体-固体反応における反応進行要因の解明と応用
Project/Area Number |
21K14618
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
浅井 彰太 岩手大学, 理工学部, 助教 (40862165)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 固体-固体反応 / 無溶媒反応 / 高活性錯体触媒 / グリーン有機合成プロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では固体-固体反応における不斉金属触媒的有機化学反応の進行の要因を解明し、医薬品や機能性材料の合成に汎用されるパラジウム触媒反応にその知見を応用することで、通常攪拌での固体-固体反応の適用範囲の拡張を目的としている。 最終年度の実績として、不斉金属触媒を使用した固体-固体の反応が進行する要因の解明のモデル反応としている林-宮浦不斉1,4-付加反応の基質となるα,β-不飽和カルボニル化合物の構造と融点および反応性の関係を理解するための知見を得ることができた。また、本研究のもう一つの重要なキーワードである「活性の高い触媒」の観点から取り組んでいる金属錯体触媒の開発においては、新規配位子を設計・合成し、有機溶媒中での第2級スルホンアミドおよびアミドのN-アリール化反応を検討した。その結果、既報より高い活性を示す新規配位子を見出し、反応条件を精査することで有機溶媒中での効率的なN-アリール化反応として確立した。さらに、その反応を無溶媒条件下で実施し、無溶媒下固体基質のみを使用した触媒反応における触媒の活性だけではなく、反応の種類(基質の組み合わせなど)や反応形式の重要性に関する知見を得ることができた。 研究全体を通して、不斉金属触媒を使用した固体-固体の反応が進行する要因を解明するために重要な知見を得ることができた。また、有機溶媒中ではあるが医薬品や機能性材料の合成に汎用されるパラジウム触媒反応を効率化する金属錯体触媒を開発した。
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