2022 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of a New Synthetic Method for Mixed-Anionic POM Complexes and Its Application toward Solid State Catalysts
Project/Area Number |
21K14638
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長田 浩一 東北大学, 理学研究科, 助教 (70813830)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ポリオキソメタレート / アニオン性金属酸化物 / 複合アニオン / 超分子結晶体 / バナジウム / モリブデン / 自己集合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では『15 族、16 族元素と遷移金属間に多重結合を有する ポリオキソメタレート(POM)の合成とその電子的性質解明および超分子結晶体を反応場とした高効率な環境調和型固体 POM触媒の開発』を目的に研究を行うことで、これまでとは異なる形式の複合アニオン型 POM 錯体の創製を目指す。すなわち、M=O 結合および架橋M-O-M結合を他の官能基 (O → S, Se, Te, NH, N) に置き換えた POMの合成法の確立と性質解明を行う。高周期典型元素-遷移金属間の多重結合に対応するHOMO準位は高く、LUMO 準位は低いので、特有の多電子酸化還元挙動を示すと考えられ、新たな物性を示す材料科学への展開に繋がるものと考えられる。 1年目では「ポリオキソバナテートの化学反応による直接官能基変換法の確立」を目指して研究を行なった。 ポリオキソメタレート(以下POM)は、化学式が [MxOy]n-(M = W, Mo, V, Ti, Nb, Al など)で表される分子を指す呼称で、4族から7族の遷移金属イオンの 周りにオキソアニオンが配位した [MO6]を基本骨格とした多面体がオキソ架橋により縮合して形成されるアニオン性多核錯体である。本研究では、M=O結合を他の典型元素 (O → S, Se, N) に置き換えたPOMの合成と性質解明を行った。一般的に高周期典型元素-遷移金属間の多重結合に対応するHOMO準位は高く、LUMO準位は低くなることが知られているので、特有の多電子酸化還元挙動を示す。1年目では、デカバナデート(V10)、ドデカバナデート(V12)、トリデカバナデートユニット(V13)、ヘキサモリブデート(Mo6)を合成し、これらに対し硫化剤を加えることでM=O結合部位をM=S結合へと変換する試みを行なった。その結果、粉末X線、SEM-EDX測定、XPS分析、IR測定などにより、メタレートに硫黄原子が組み込まれていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目、「引き続きポリオキソバナテートの化学反応による直接官能基変換法の確立」を目指して研究を行なった。 ポリオキソメタレート(以下POM)は、化学式が [MxOy]n-(M = W, Mo, V, Ti, Nb, Al など)で表される分子を指す呼称で、4族から7族の遷移金属イオンの 周りにオキソアニオンが配位した [MO6]を基本骨格とした多面体がオキソ架橋により縮合して形成されるアニオン性多核錯体である。本研究では、中心金属をバナジウムおよびモリブデンとした末端酸素部位(M=O)および架橋酸素部位(M-O-M)への官能基変換反応を行った。1)ヘキサモリブデート(Mo6)に対しDCC存在下第一級アミンを加えることで、Mo6クラスターにイミドが1つ、および2つ(cis, trans体)を導入しその電子的特性を理論計算を用いて明らかにした。また、Mo6クラスターに対してイミド部位が1つ、2つと導入されることで錯体の吸収がレッドシフトすることを紫外可視吸収スペクトルから明らかにした。現在は、イミド化したMo6クラスターを用いた光触媒の検討をおこなっている。2)非対称なサリチルアルコールを用いることで、新規なバナジウム4核クラスターを合成することに成功した。紫外吸収スペクトルおよび理論計算からLMCT遷移であることを見出し、サリチルアルコールに電子供与基や電子吸引基を導入することでLMCT遷移をある程度コントロールすることに成功した。現在は、このV4クラスターを利用した光触媒の検討をおこなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目で合成したモリブデンならびにバナジウムを中心金属とする多核クラスターを利用した触媒への検討を行う。特に、官能基を加えることで吸収波長がレッドシフトした結果から可視光領域の吸収を利用した光反応の開発を目指す。
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Causes of Carryover |
昨今の世界情勢から試薬や備品の発注に遅延が発生しているため、一部、試薬や消耗品の購入ができないでいる。
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Research Products
(18 results)
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[Presentation] N-Heterocyclic carbene-based C-centered Au(I)-Ag(I) clusters exhibiting intense phosphorescence and intracellular organelle-selective translocation2022
Author(s)
Zhen Lei, Mizuki Endo, Hitoshi Ube, Takafumi Shiraogawa, Pei Zhao, Koichi Nagata, Xiao-Li Pei, Tomoya Eguchi, Toshiaki Kamachi, Masahiro Ehara, Takeaki Ozawa, Mitsuhiko Shionoya
Organizer
メディシナルケミストリーシンポジウム
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