2023 Fiscal Year Research-status Report
非対称電荷移動型金属錯体の創出と異方的電子移動に基づく外場誘起分極制御
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21K14646
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
関根 良博 熊本大学, 大学院先導機構, 准教授 (40733465)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 金属錯体 / 電子移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
外部刺激に応答して、構造や電子状態/スピン状態を変換可能なスピン転移化合物や磁性体については、基礎的な分子設計指針は確立されつつある。一方で電子移動の自在制御及び機能発現に関する学理は、未だ開拓が十分ではない。外場応答性金属錯体の機能開拓に関する研究の観点から、本研究で着目する外場誘起電子移動が織り成す新物性科学への期待は極めて大きい。電子ドナー(D)アクセプター(A)型電子移動系においても、刺激によって物性が変換可能な構造・電子状態と磁性が強く相関した系であり、分子スイッチやメモリー素子への応用が期待される興味深い化合物群である。 本研究では、電子DAユニットが連結したDA型金属錯体を合成し、熱や光、圧力印加、ゲスト分子の吸脱着等の外部刺激に応じてD/A間電子移動(D0A0⇔D+A-)の解明を目指した。外場応答性分子と異種分子との共結晶化によって、電子移動挙動が変化することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象となる電荷移動型錯体の探索の結果、特異な磁気挙動を示す金属錯体の合成に成功している。分子の化学修飾により、磁気挙動が精密に制御可能なことを見出している。一部の化合物において電気物性測定に遅れが出ているが、良質な結晶化条件を見出したためこれらは解決できる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
結晶内の配向制御を目指し、分子の化学修飾の最適化を行い、共結晶化について検討する。既に得られたいくつかの集積体に関して、磁気的・電気的測定を行い、構造と物性相関を明らかにすることで、分子設計方法を確立する。
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Causes of Carryover |
物品、消耗品の購入価格が当初計画と少し違っていたために次年度使用額が生じたが、基本的は計画通りである。 次年度使用となった分は、成果発表の旅費、または物性測定用の消耗品購入にあてる予定である。
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