2021 Fiscal Year Research-status Report
球状中空体を利用したNiサンドイッチ型触媒の創製とその還元特性評価
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21K14665
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
外山 直樹 日本大学, 生産工学部, 助教 (60845410)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 担持触媒 / 球状中空体 / 4-ニトロフェノール / 還元反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
担持触媒は、担体に触媒を分散させて使うため、触媒をそのまま使うよりも高活性を示す。一方で、繰り返し使用することで触媒の凝集や溶出によって活性が著しく低下することが問題となっている。本申請では、高活性を維持できる触媒の創製を目指し、球状中空シリカ担持Niサンドイッチ型触媒を提案し、実施している。今回創製を目指す触媒は、均一な形状かつ高い比表面積を有する球状中空シリカを担体としてNi金属粒子を担持させ、球状中空シリカ担持Ni触媒を合成する。さらにその上からシリカコートすることによってNi金属粒子をサンドイッチ状に挟む方法で目的の触媒を得る。 まず球状中空シリカの粒径や壁厚といった幾何学的な構造制御を行い、それぞれの試料にNi金属を担持させて球状中空シリカ担持Ni触媒の合成を行った。幾何学的な構造制御した球状中空シリカの形態は、透過型電子顕微鏡により観察した。このとき、それぞれの担持Ni触媒が4-ニトロフェノールの還元反応に対する影響を検討し、最も高い活性を示した試料を最適であると判断した。これは、幾何学的な構造制御によって球状中空シリカの比表面積が変化し、担持されるNi金属の分散性の影響であると考察する。 また、担持させるときの合成条件に関しても検討を進めており、Ni前駆体濃度や合成時のpHが4-ニトロフェノールの還元反応に影響があることも明らかになっている。これは、担持されるNi金属の状態によるものであると考察する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度の研究計画では、担体とする球状中空シリカの粒径や壁厚といった幾何学的な構造制御を行い、それぞれの試料にNi金属を担持させ、4-ニトロフェノールの還元反応に対する影響の検討を行った。この検討から、壁厚が薄く粒径が小さい球状中空シリカにNi金属を担持させた触媒が最も高い活性を示すことを見出した。 また、幾何学的な構造制御により最適化した球状中空シリカにNi金属を担持するときの条件についても検討を始めている。例えば、球状中空シリカ担持Ni触媒の合成の際にNi前駆体濃度やpHを変化させることで4-ニトロフェノールの還元反応に影響があることが明らかになっている。以上のことから、当初の計画通りおおむね順調に進展しているとものと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の研究計画では、まず球状中空シリカの合成条件の最適化を行った。2022年度の研究計画では、この球状中空シリカを担体としてNi金属を担持させ、球状中空シリカ担持Ni触媒の合成を行う。このとき、Ni金属を担持させる条件について詳細に検討して、4-ニトロフェノールの還元反応に対する影響を詳細に検討する。例えば、熱処理によるNi金属の結晶性や担持および真空乾燥時の温度など検討を行う。その後、最適化された球状中空シリカ担持Ni触媒にさらにシリカ層をコートすることでサンドイッチ型触媒の創製を行う。創製した試料は、4-ニトロフェノールの還元反応とサイクル性に対する評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
試料合成機器などが当初の予定より低価格での購入が可能となったため、必要とする費用が当初計画よりも少ない結果となった。 余剰金は、2022年度の消耗品費として必要な物品に対して有効に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)