2022 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ界面制御によるマイクロポア構造を有するソフト圧力センサの創出
Project/Area Number |
21K14692
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
関根 智仁 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 助教 (20805634)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 相溶性 / ナノ界面制御 / 触覚デバイス / ソフト圧力センサ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、新規ソフト圧力センサ開発のための溶液材料システムを構築し、ナノ界面制御の観点から感圧機能発現の起源を解明することである。これにより、高感度センサの作製と特性評価を達成し、触覚デバイスへの応用実現性を明らかにすることを目指した。これを遂行するために、研究期間内ではセンサデバイスに使用する材料群と成膜方法の最適化を行った。溶液材料として、ナノカーボン、界面活性剤、および溶媒のそれぞれを相溶性の観点から調整した。これより、用いた界面活性剤の炭素長と感圧層内に形成されたマイクロポア径の相関性を解明するに至った。これは、薄膜のミクロ構造観察およびその導電性の特性解析を同時に行うことで、その知見を得るに至った。また、界面活性剤の分子構造においては、デバイス中のマトリクスポリマーへの化学的影響を考慮して、ステアリルエーテル系低分子が最適であった。加えて、ナノカーボン材料のアスペクト比や溶液内での凝集回避を考慮した分散性との両立にも成功した。これらからなる感圧層の薄膜状態は電子顕微鏡による形態観察から評価した。一方、溶液中で材料の過凝集が起こった場合、センシング時の感度低下を引き起こす原因となることが明らかになっており、相溶性と形成薄膜の相互的なデバイス設計指針が重要である。なお、並行して進めていた溶媒種の決定についても、マイクロポア径や導電性ダイナミクスの観点から、ヘキサンと純水の混合溶媒が最適であることが分かった。以上より得られた感圧層薄膜を導電性高分子からなる電極上に塗布し、圧力センサとした。センシング特性では、界面活性剤の鎖長に由来するマイクロポア径と印加圧力に対する感度に相関性があることが新たに明らかになり、触覚デバイス応用にも成功した。
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