2023 Fiscal Year Annual Research Report
What is the role of insulating polymers in conductive polymer diluted thin films?
Project/Area Number |
21K14698
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 友哉 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究員 (80836370)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 絶縁性高分子 / 導電性高分子 / 高分子混合薄膜 / コンフォメーション変化 / 電荷輸送特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、絶縁性高分子を用いた希釈法による導電性高分子の電荷輸送特性の改善機構を解明することを目的とし実施した。導電性高分子であるポリフルオレン(PFO)と絶縁性高分子のポリスチレン(PS)を混合した場合に形成されるPFOのβ相について、PSの重量平均分子量依存性や混合比率とβ相形成量の関係について検討した。数種類のPSとPFOをそれぞれ混合した結果、低分子量PS(Mw=607)と混合した場合でのみβ相由来の吸収ピークが観測された。混合比率とβ相形成量の関係についてPFOの凝集とβ相それぞれに由来する吸収ピークの強度比を用いて評価した結果、PSの割合が70%の時に混合膜に含まれるPFOのコンフォメーション変化量およびβ相形成量が最大となることが確認された。原子間力顕微鏡(AFM)や示差走査熱量測定(DSC)から得られた結果に基づくと、低分子量PSのガラス転移温度(Tg)が室温以下であり、PFOとの相溶性が高いことが混合に伴うβ相形成の鍵となっていると推測される。PSの混合比率が増加しPFOの周りに多く存在するようになると、室温でのPS鎖の運動性の影響を受けてPFO鎖の運動性も改善すると考えられ、その結果としてコンフォメーションが変化しやすくなることからPFO鎖同士の相互作用が促進されβ相が形成されやすくなったと考えられる。 β相形成と電気特性の相関を検証するために混合比率を変えた複数のPFO:PS混合膜を用いて電子オンリー素子(EOD)を作製し電流-電圧測定を行った。その結果、β相形成量の増加に伴う電流密度の増加が確認され、PFOのみの場合に比べ電流密度が最大で3桁ほど向上することが確認された。 さらに、炭素数が22、28、36の直鎖状アルカン分子とPFOを混合した場合でも、低分子量PSの場合と同様にβ相が形成されることが明らかとなった。PFO:直鎖アルカン分子混合膜を用いたEODを作製し電流-電圧測定を行った結果、約4桁の電流密度の増加が確認された。
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Research Products
(3 results)