2022 Fiscal Year Annual Research Report
Effective surface design for highly-luminescent and water-dispersible metal halide perovskite nanocrystals
Project/Area Number |
21K14706
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
齋藤 典生 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (20822456)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ペロブスカイト / ナノ結晶 / ハロゲン化物 / 配位子 / 耐水性 / 発光 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハロゲン化鉛ペロブスカイトの代表組成であるCsPbBr3ナノ結晶をモデルに用い、二鎖二親水基(ジェミニ)型や三鎖三親水基(トリメリック)型の配位子を結晶表面に修飾し、発光特性や水に対する安定性を明らかにした。これらの配位子は、既存の高性能配位子であるジメチルジドデシルアンモニウムBr(DDAB)と同等の発光特性と分散安定性を示し、耐水性試験では既存の配位子を大幅に上回る安定性を発揮した。作製したナノ結晶の表面組成や湿潤環境における結晶相変化を分析した結果、ジェミニ型やトリメリック型配位子修飾ナノ結晶では、湿潤環境でCsPbBr3が分解し、CsBrリッチなCs4PbBr6に結晶相が変化することが示唆された。Cs4PbBr6が再び水と反応すると、CsPbBr3に変化する。この配位子と水を介したCsPbBr3とCs4PbBr6の間の結晶相変化が、ナノ結晶の化学耐久性を向上させる要因の一つであることを提案した。 CsPbBr3ナノ結晶の表面保護と親水化を両立する新しい表面修飾法として、水中油滴 (O/W)型エマルションを介した表面改質プロセスの開発を行った。界面活性剤水溶液とCs4PbBr6ナノ結晶分散液を低温で強攪拌することでO/Wエマルションを作製し、それを凍結乾燥することで、ナノ結晶表面に親水性の分子集合シェルを修飾した。生成物に水やアルコール溶媒を添加したところ、安定に分散し、紫外線を照射すると緑色発光した。生成物の結晶相や微細構造を評価したところ、乳化過程でCs4PbBr6ナノ結晶の一部がCsPbBr3ナノ結晶に変化することが分かった。水中での安定性が最も高い界面活性剤は、ビス(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム (AOT)であり、AOT未修飾試料と比較して水中での発光強度を大幅に向上できることを示した。
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Research Products
(8 results)