2021 Fiscal Year Research-status Report
規則化フォトニックナノワイヤZnO/Cu2O太陽電池の電気化学形成と高効率化
Project/Area Number |
21K14717
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
Khoo PeiLoon 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任助教 (60874922)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エネルギー変換 / ナノ構造体 / 陽極酸化アルミニウム / 光活性層 / 電気化学的形態制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
低コスト超高効率Si系多接合太陽電池のトップセルとして電気化学手法で形成される超低コストn-ZnO/p-Cu2O酸化物太陽電池が期待されている。本研究課題では、自己組織化酸化アルミニウム(Anodic Aluminium Oxide、AAO)を用いた規則フォトニックナノ構造化Cu2O/ZnO太陽電池の電気化学的形成技術を確立し、ナノ構造化による光誘導・散乱効果を活用することによって光吸収活性層を拡大し高短絡電流密度化・高効率化することを検討している。前述したような形状をもったZnOナノワイヤやCu2Oナノ構造を電気化学製膜で作る手法と技術は存在しないため、著者は薄膜AAOを用いた独自的なナノ構造制御技術の確立に挑んだ。 汎用性高い基板FTO上に真空蒸着、<111>-Au/Siの上にRFスパッタリングを用いて薄膜アルミニウムを形成させ、低温シュウ酸溶液に陽極酸化させて薄膜AAOを形成した。形成された薄膜アルミニウムはX線回折法(XRD)及び原子間力顕微鏡(AFM)で評価した。真空蒸着された薄膜Alの算術平均粗さは約30 nmほど粗く、形成されたAAOは不均一だった。走査型顕微鏡(FESEM)で表面・断面を観察した結果、Al粒界及び基板表面が薄膜AAOへの影響及び機構を検討した。一方、<111>-Au/Si 基板上RFスパッタリングで形成されたAl薄膜の表面粗さは約10倍低い3 nmで、鏡面のような外観だった。また、XRDで評価した結果、より高い(111)Alのピークが検出され、配向及び結晶性の向上を示した。40 Vの陽極酸化電圧で、均一且つほぼ垂直な薄膜AAO(ポア直径約50 nm)を形成することができ,電気化学製膜手法に適した導電膜上直接薄膜AAOを形成する手法の有効性を証明した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初想定したボトルネックであった均一な薄膜AAO形成に成功し、その成果の一部を国際学会で発表した。電気化学ナノ構造薄膜形成に使用するのに最適化まで進んできた。 一方、p-n酸化物太陽電池を構築するまでに実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
薄膜AAOを用いてナノ構造薄膜を電気化学的に形成し、ZnOならびにCu2O層の電気化学的製膜条件の最適化も含めて、ナノ構造化Cu2O/ZnO太陽電池成技術を確立する。また、計画通り進まない場合の対策として、新たな酸化銅膜の陽極分極を用いるナノ構造の新規な形成技術も着手し、ナノピラーCu2Oの電気化学形成にも挑む。
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Causes of Carryover |
国際会議及び技術討論などがオンライン開催になったため、旅費の支出はなかった。 翌年度分として請求した助成金として、当初想定より多く消耗した導電基板の発注に充填する予定である。
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Research Products
(1 results)