2022 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of dual-carbon batteries based on their reaction potentials
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21K14718
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 貴之 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教 (30783823)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 二次電池 / 炭素材料 / イオン液体 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度(2022年度)は、電解質の最適化およびデュアルカーボン電池の構築を試みた。昨年度の検討において、FSAアニオンよりもFTAアニオンからなるイオン液体の方が、グラファイト正極が優れた充放電挙動を示すことが分かっている。一方、FSA系イオン液体の中では、アルカリ金属カチオンがNa+の場合、特異的に良好なグラファイト正極挙動を示した。この電解質では、充電後電極のX線回折(XRD)分析の結果、単純なFSAアニオンの挿入では説明ができないグラフェン層間距離の増大が確認された。また、集電体に用いているアルミニウム(Al)の腐食挙動を調べたところ、良好なグラファイト正極性能を与える電解質では、Al腐食由来の電流が小さいことも明らかとなった。 次に、デュアルカーボン電池構築のための電解質としてK[FTA]-[C4C1pyrr][FTA]を選定し、グラファイトの正極および負極としての挙動を調べた。正極側では、25℃においてK/Graphiteハーフセルが100サイクルにわたって約100 mAh g-1の容量を維持した。また、充電が進行する過程で、FTAアニオンの挿入によって低ステージ(ステージ3 → 2 → 1)のグラファイト層間化合物(GIC)が順に生成することをXRD分析により明らかにした。一方、負極側では、25℃においてK/Graphiteハーフセルが約230 mAh g-1の可逆容量を示した。昨年度のFSA系での検討結果と同様、充電時にステージ構造を取りながらK-GIC相が形成されることをXRD分析により確認した。さらに、高ステージのK-GIC形成挙動についても詳細を明らかにした。最後に、K[FTA]-[C4C1pyrr][FTA]イオン液体を用いて、Graphite/Graphiteフルセルを構築した。25℃および約1Cレートにおけるサイクル試験の結果、100サイクル後においても、初期サイクルの70%以上の容量を維持することが分かった。
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Research Products
(12 results)