2022 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー密度カリウムイオン二次電池用の新規酸化物系高電圧正極材料の開発
Project/Area Number |
21K14730
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
マセセ タイタス 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (70758466)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | カリウムイオン電池 / 二次電池 / 正極材料 / 電気化学 / 固体化学 / 物性論 / 数理物理学 / トポロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
資源面での優位性のみならず、リチウムイオン電池に比類する高電圧電池系が実現可能な利点から、次世代大型蓄電池の現実解としてカリウムイオン電池があり、その研究開発、特に正極材料においては近年、急激に加速している。特に、現状の層状型酸化物系正極材料については、得られる電圧が必然的に低いため、高電圧・高エネルギー密度カリウムイオン二次電池としての候補正極にはなり得なかった。 本研究課題では高電圧なカリウムイオン電池用新規正極材料として、高電位を示す層状型酸化物材料の開発に取り組んだ。本年度は様々なカリウム含有新規酸化物群の合成に成功した。得られた層状型新規酸化物材料群の充放電特性を検討した結果、4ボルトと高い電位を示すことが確認された。また高分解能透過型電子顕微鏡を用いて開発した正極材料の微細構造を観察したところ、特異な積層構造を含み、それは充放電特性に大きな影響を及ぼすだけではなく、多種多様な物理的・化学的・数論的現象を誘起させることが分かった。また従来のカリウムイオン、ナトリウムイオン電池用正極材料に加えて、カリウムとナトリウム両方を含有する4ボルト級正極材料を開発し、カリウム-ナトリウム合金液体負極を用いた新しい蓄電池システム構築に向けて前進した。 今後は更なる材料開発を行い、特にカリウムイオン電池の高容量化に向けてカリウム過剰系(potassium-excess/potassium-rich)やアニオンレドックス (anion redox)を活用する新規酸化物系正極材料の開発に取り組む。
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Research Products
(15 results)