2021 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of an efficient production system of medium-chain fatty acid using Aurantiochytrium sp.
Project/Area Number |
21K14772
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
渡邉 研志 広島大学, 統合生命科学研究科(先), 助教 (60781242)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | MCTオイル / 中鎖脂肪酸 / 発酵生産 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満を抑制する低カロリー油脂やバイオ燃料の原料として期待され、今後さらなる需要拡大が見込まれる中鎖脂肪酸を含むMCTオイルについて、優れた油脂生産能力を持つ海洋性の微生物であるオーランチオキトリウム属による効率的な発酵生産系の構築を目的としている。今年度は、炭素数16の脂肪酸を主に生成するオーランチオキトリウム属由来の脂肪酸合成酵素への変異導入により、生成脂肪酸の炭素鎖長の改変を試みた。酵母や植物由来の脂肪酸合成酵素において、生成脂肪酸鎖長の決定に関与していることが予測されているドメインの立体構造情報を鋳型としたホモロジーモデリングにより、オーランチオキトリウム属由来の脂肪酸合成酵素における同ドメインの立体構造を予測した。その結果、他生物種由来の脂肪酸合成酵素の生成脂肪酸鎖長の決定に重要であることが推定されているアミノ酸残基が、オーランチオキトリウム属由来の脂肪酸合成酵素においても同様の働きを持つことが予測された。また、オーランチオキトリウム属のゲノム中から脂肪酸合成酵素の遺伝子を単離し、各標的アミノ酸残基をアラニンに変異させた変異型脂肪酸合成酵素の遺伝子を作成した。変異型脂肪酸合成酵素の遺伝子をオーランチオキトリウム属由来の伸長因子α1遺伝子プロモーター制御下においた発現プラスミドを作成した。また、生成した中鎖脂肪酸の分離検出条件を検討し、ガスクロマトグラフィーによる分析法を決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、オーランチオキトリウム属由来の脂肪酸合成酵素中の変異導入標的の探索と変異型酵素の遺伝子が取得は想定通りに進捗しており、中鎖脂肪酸の分析方法についても検討できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度作成した変異型脂肪酸合成酵素をオーランチオキトリウム属に導入した遺伝子組換株を樹立し、生成脂肪酸の解析を行う。また、脂肪酸合成酵素が合成した脂肪酸を同酵素から遊離するチオエステラーゼについても生成脂肪酸の種類に影響を与える可能性があるため、オーランチオキトリウム属よりチオエステラーゼ遺伝子を単離して、脂肪酸鎖長に対する特異性を解析する。
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Causes of Carryover |
参加予定としていた学会の多くがオンライン開催となり、旅費が発生しなかった。また、購入予定としていた機器(微量遠心分離機等)が半導体不足の影響を受けて納期未定であったため購入を見送った。 研究速度のスピードアップのため、DNA塩基配列決定等の各種分析の外部委託を予定しており、その費用として使用する。研究成果をまとめた論文については高インパクトを狙い、オープンアクセス誌への投稿を検討しており、その投稿費用として使用する。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] Improvement of lipid productivity of Aurantiochytrium sp. by genome editing.2021
Author(s)
Kenshi Watanabe, Charose M. T. Perez, Tomoki Kitahori, Kosuke Hata, Masato Aoi, Hirokazu Takahashi, Tetsushi Sakuma, Yoshiko Okamura, Yutaka Nakashimada, Takashi Yamamoto, Keisuke Matsuyama, Shinzo Mayuzumi and Tsunehiro Aki
Organizer
2021 AOCS Annual Meeting & Expo
Int'l Joint Research
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[Presentation] ゲノム編集によるオーランチオキトリウム属の脂肪酸生産性の向上2021
Author(s)
渡邉研志, Charose M. T. Perez, 北堀智希, 畑浩介, 青井真人, 高橋宏和, 佐久間哲史, 岡村好子, 中島田豊, 山本卓, 松山恵介, 秋庸裕
Organizer
第73回日本生物工学会大会
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[Presentation] ゲノム編集によるオーランチオキトリウム属の脂肪酸生産性の向上. 第6回ラビリンチュラシンポジウム2021
Author(s)
渡邉研志, Charose M. T. Perez, 北堀智希, 畑浩介, 青井真人, 高橋宏和, 佐久間哲史, 岡村好子, 中島田豊, 山本卓, 松山恵介, 秋庸裕
Organizer
第6回ラビリンチュラシンポジウム
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