2023 Fiscal Year Research-status Report
Circuit-in-community resource allocation model to design synthetic live bacterial therapeutics
Project/Area Number |
21K14779
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
鄭 美嘉 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究部門, 研究員 (00846438)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 合成生物学 / 計算生物学 / システム生物学 / マイクロバイオーム / バイオ医薬品 |
Outline of Annual Research Achievements |
生きるべきか死ぬべきか-微生物は限られた資源で戦いを挑むべきか、それとも自己増殖のために資源を温存すべきか。栄養分が限られた競争環境で、微生物種は生存戦略を駆使して適応する。自らの取り分を最大にするためには、自己の増殖速度を高めるか、相手の増殖速度を抑えるかのどちらかである。自己増殖と攻撃の間の資源配分のバランスが取れたときに、競争環境下での適応力が最大になると考えられる。我々は、抗生物質を始めとする二次代謝産物の合成に関連するコストと、競争相手の脱落によって解放された資源による生長優位性を評価する理論的枠組みを開発した。そして、枯草菌とJanthinobacterium lividum由来のvio遺伝子を持つ組換え大腸菌からなる人工群集の実装化し、この系において、資源配分モデル構築と定量解析の手法を実証した。vio遺伝子が産生する化合物は枯草菌を含むグラム陽性菌に対して殺菌効果を示す。定量解析において、単培養実験結果から、vio生成により生じるコストと攻撃のベネフィットを説明できる関数の数値化を可能にした。共培養の数値シミュレーション結果から、競争環境における抗生物質の最適生産レベルは、自己集団の大きさに依存するが、相手集団の大きさにはあまり依存しない。実際に自然界でもクオラムセンシングシステムがバクテリアの抗生物質生産を制御するのに多用される一方、相手に対するセンシングがあまり普遍的でない理由は、自然選択によって最適生産レベルに種が進化したからだと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新・複合モデルの予測可能性をモックコミュニティを使って検証した。まず合成有益微生物とグラム陽性のモデル細菌のみの2種コミュニティで実験し、数値シミュレーション結果と比較した。人工遺伝子回路に緑色蛍光タンパク質を常時発現させることで合成有益微生物を染色し、様々な環境や初期条件下での種の割合を、フローサイトメトリーで高出力で解析した。 当初の研究計画では漸次的に種属を増やし、Acenetobacter baumaniiやStaphylococcus aureus等のヒトマイクロバイオームで検証し、3種以上のコミュニティでは、16SrRNA解析を主に、小規模なFISH染色による顕微鏡とフローサイトメトリーで確認しながら、種の割合を算出する予定だったが、3種コミュニティを数値シミュレーションした結果、2種コミュニティと比較して有益微生物の効果の減少が見られたが、それ以外の例えば人工遺伝子回路における資源配分への影響は微弱で、新しい発見がなかったことから、2種コミュニティを集中的に対象にして最適化制御を検討した。 最終年度ということもあり、国際学会での発表を中心に成果発表に尽力した。
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Strategy for Future Research Activity |
課題としては令和5年度が最終年度であったが、引続き論文や学会等で成果発表に努めたい。 また、研究内容としては、今後も種の起源と適応化、生存戦略について定量的解明を実施していきたい。本課題でいう自己集団サイズとクオラムセンシングのような、最適化の制御因子・遺伝子を明らかにし、効率的に目的を達成できる合成生物の創出を目指す。
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Causes of Carryover |
当初の実験計画では、ヒトマイクロバイオームを使ったモックコミュニティの形成を予定していたが、①2種と3種以上の集団微生物において、数値シミュレーションの結果有益微生物の資源配分スキームに変化がなかったこと、と②所属研究機関が海洋研究開発機構から農業・産業技術総合研究機構に移動し、設備や研究環境が変化したことにより、ヒトマイクロバイオームでの実験や解析を取りやめて代わりにシミュレーション中心の研究成果となったため、支出額に変更が生じた。次年度使用計画としては、学会と論文での成果発表に係る旅費や投稿費に使用する。また、所属機関の変更に伴い扱う微生物種も農業用途を中心に、植物内生菌や土壌微生物を対象とするので、植物関連の培養実験に係る経費を計上する。
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Research Products
(4 results)