2021 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリアの形態異常に起因する諸疾患に対する新規ターゲットとしての微小管
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21K14786
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Research Institution | Yonago National College of Technology |
Principal Investigator |
村田 和加惠 米子工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30613707)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / 出芽酵母 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアの融合・分裂と微小管の関係を調べるため、微小管重合脱合阻害剤であるベノミル等を用いて実験を行った。 蛍光顕微鏡観察の結果、微小管重合阻害剤添加の条件下で、融合・分裂異常が観察されたが、より詳細なミトコンドリアの形態を観察するため、電子顕微鏡で観察を行った。微小管重合阻害剤の添加によって、ミトコンドリアの融合・分裂異常が観察されたが、ミトコンドリアが融合することによって、大きな1つの器官となっているのか、あるいは微細な枝分かれ構造を有するのかなど詳細な形態観察については光顕微鏡観察だけでは不充分である。そこで、微小管重合阻害剤添加細胞からミトコンドリアを単離し、電子顕微鏡を用いて、より詳細な観察を行うことにより、微小管におけるミコトンドリアへの影響をより詳細に調べた。その結果、ベノミル添加細胞において、ミトコンドリアの枝分かれ構造が観察された。この結果から、出芽酵母において、ベノミル添加によってミトコンドリアの分裂異常を引き起こした結果、融合が進み、枝分かれ構造を引き起こした可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由 申請時に予定していた研究執行計画を順調かつ確実に遂行させており、その結果も良好・明確である。 よって、「研究の目的」の達成度は、おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、様々な種類の微小管脱重合阻害剤添加におけるミトコンドリアの形態観察を行う。本申請研究において、すでに3種類の微小管脱重合阻害においてミトコンドリアの形態観察を行っているが、より多くの種類の微小管脱重合阻害剤を用いて、ミトコンドリアの形態観察を行っていき、微小管の構成タンパク質であるα、β、γチューブリンのうち、ミトコンドリアの分裂にとって重要な因子などが何かを検討していく。 また、ミトコンドリアの融合・分裂に関与するタンパク質と微小管の関係について研究を行っていく。ミトコンドリアの融合・分裂に関与するタンパク質は数多く知られている。しかしながら、これらのタンパク質と微小管の関係性は調べられていない。微小管とミトコンドリアの関係について、微小管が直接ミトコンドリアに作用するのか、あるいはミトコンドリアの融合・分裂に関与するタンパク質と作用するのかを調べていく予定である。RT-PCRによって、微小管阻害剤を添加した場合のミトコンドリアの融合・分裂に関与する遺伝子のmRNAの発現量を調べ、その後GFP結合酵母株を用いて微小管阻害剤存在下における局在を蛍光顕微鏡で観察を行う。さらに、特徴的な挙動が観察されたタンパク質において、遺伝子欠損株を用いて、微小管重合・脱合阻害剤添加時のミトコンドリアの形態についても観察を行っていく。
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Causes of Carryover |
当初、初年度に購入を予定していた消耗品の一部について、研究計画の変更に伴い次年度に購入することとしたため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は当初購入を予定していた消耗品を次年度に購入することとして執行を計画している。
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Research Products
(2 results)