2023 Fiscal Year Annual Research Report
Isolation of rare actinomycetes for screening of new compound from deep-sea water
Project/Area Number |
21K14794
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
春成 円十朗 富山県立大学, 工学部, 講師 (00750449)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 海洋深層水 / 放線菌 / Rhodococcus / Streptosporangium |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症の影響により、申請当初に計画をしていた全国の海洋深層水取水施設へのサンプリングが困難な状況であった。そのため、当初予定していた研究計画を大きく変更し、製品評価基盤機構(NITE)の微生物保存機関であるバイオテクノロジーセンター(NBRC)で提供されているスクリーニング用微生物(RD株)から、海洋深層水由来の放線菌株を検索した。このうち、特に研究報告例の無い北海道羅臼の海洋深層水から分離された55株について、詳細な生産物の解析を実施することで、新規化合物の探索を行うこととした。 2年目までに海洋深層水に存在する放線菌における有用希少放線菌として選定したRhodococcus属6株、さらには海洋深層水からの分離例が極めて少ないStreptosporangium属20株を優先的に研究に用いた。これら26株は3種類の化合物生産用培地にて培養・抽出し、主にHPLCを用いた生産物の詳細な解析を行った。解析の結果、構造解析に十分な量の化合物を生産していると判断したRhodococcus属の1株、Streptosporangium属の2株について、目的化合物を各種クロマトグラフィーにて精製した。NMR、MSスペクトルによる構造解析の結果、Rhodococcus属1株から1つ、Streptosporangium属1株から2つの新規化合物を得た。 最終年度はこれら新規化合物の詳細な解析により平面構造を決定し、NMRによって立体構造の解析を進め、相対立体を決定した。決定した相対立体をもとに計算化学によってECDスペクトルおよびプロトンとカーボンのケミカルシフトの計算値を算出して実測値との比較を行ったが、立体化学の決定には至らなかった。その他、炭素同位体標識による生合成経路の推定、抗菌試験と細胞毒性試験を行った。
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