2023 Fiscal Year Annual Research Report
Flow synthesis and characterization of onjisaponins for the creation of vaccine adjuvants
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21K14796
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小西 成樹 北里大学, 薬学部, 助教 (70844562)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オンジサポニン / フロー合成 / 配糖化 / シンナモイル基 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題ではマイクロフローリアクター合成法やボロン酸によるヒドロキシ基のマスキング能を利用した配糖化法を利用した効率的な糖鎖構築を検討し、オンジサポニン類の全合成方法論の確立を試みた。オンジサポニン類はC-28位カルボキシ基に結合するD-フコースの3'位もしくは4'位にシンナモイル基を有する特徴がある。しかし、サポニン合成の脱保護段階でシンナモイル基の異性化や分解が起こり、収率の低下や精製困難へとつながる点が大きな課題だった。 研究期間ではシンナモイル基部分の構築法の確立を行った。すなわち、オンジサポニン類の非糖鎖部(アグリコン)に類似した骨格であるオレアノール酸を基質としたシンナモイル化方法論を検討した。ボリン酸試薬であるジフェニルボリン酸2-アミノエチルを化学両論量用いると、D-フコースの3'位選択的にシンナモイル化が進行し良好な収率で3'位シンナモイルサポニン誘導体が得られた。さらに、3'位シンナモイルサポニン誘導体を基質として求核塩基であるキヌクリジンを用いると、サポニン糖鎖上で分子内アシル基転位反応が進行し、4'位シンナモイルサポニン誘導体が首尾良く得られた。 さらにメトキシ基の結合したシンナモイル基や種々のデオキシ糖を基質として検討した結果、2箇所に糖鎖構造を有するビスデスモシド構造体を含む、12種類のシンナモイルサポニン誘導体のライブラリー構築を達成できた。 本研究期間を通じてオンジサポニン構造の全合成に向けて、オレアノール酸を骨格としてD-フコースとシンナモイル基の結合構築を検討できた。また、C-28位に結合する糖の種類を改変した誘導体合成にも応用でき、構造活性相関の解明を視野に入れた合成方法論として確立できた。
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