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2021 Fiscal Year Research-status Report

新規な味蕾細胞亜集団による塩味感知メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 21K14801
Research InstitutionTokyo University of Agriculture and Technology

Principal Investigator

小薗 拓馬  東京農工大学, 学内共同利用施設等, 特任助教 (20876180)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2023-03-31
KeywordsJaw1 / イノシトール三リン酸受容体 / カルシウムシグナリング / 味蕾細胞
Outline of Annual Research Achievements

味覚は、甘味及び旨味、苦味、酸味、塩味の基本5大味から構成され、味物質が舌上皮に存在するI-III型の3種類の味蕾細胞により受容されることで感知される。
本研究で申請者が着目する小胞体タンパク質のJaw1は、II型味蕾細胞に特異的な発現を示し、味覚のシグナル伝達に重要なカルシウムイオンチャネルであるIII型イノシトール三リン酸受容体(ITPR3)と相互作用することが知られている。しかしながら、そのカルシウムシグナリングにおけるJaw1の分子機能、そして味覚における生理機能は明らかではない。そこで、本研究は、Jaw1の細胞内機能の解析に加え、Jaw1遺伝子改変マウスを用いて、味覚機能におけるJaw1陽性味蕾細胞の生理的意義を解明することを目的としている。
初年度は、培養細胞を用いた実験により、Jaw1とITPRsの相互作用がGPCR刺激依存的な小胞体由来のカルシウムイオンの放出を増強させることを、生化学的に明らかにした。特に、ITPRsにはITPR1-3の三種類のサブタイプが存在するが、Jaw1はその全てのサブタイプに対してカルシウムイオンの放出活性の増強効果を示し、そのシグナルの持続性や頻度、最大強度の観点でその増強効果の性質が異なることを見出した。
また現在、味蕾細胞においても、Jaw1がITPRsのカルシウムイオン放出活性の増強に関与するかを評価するために必要な遺伝子改変マウスを作製中である。さらに、初年度に計画していた味蕾細胞のシングルセルトランスクリプトーム解析を行い、現在データ解析の段階にある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度は、予定していた味蕾細胞のシングルセルトランスクリプトーム解析を行い、現在は、そのデータ解析の段階にある。また、Jaw1陽性の味蕾細胞が受容する味を評価するために必要な遺伝子改変マウスの作製中である。一方で、Jaw1の分子機能を明らかにすることを次年度に計画していたが、生化学的な解析により、ITPRsのカルシウム放出活性を増強するというJaw1の分子機能を初年度に明らかにした。これらの結果から、初年度の目標を部分的に達成している他、次年度に計画しいていたJaw1の分子機能の解明に到達しており、おおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

遺伝子改変マウスの作製を引き続き行い、Jaw1陽性の味蕾細胞がどの種類の味を感知するのかを評価する。さらに、Jaw1遺伝子を欠損することで、その細胞における味覚感知能がどのように変化し、その変化がどのようなメカニズムでもたらされるのか明らかにする。一方で、シングルセルトランスクリプトーム解析データからも、引き続き味蕾細胞の集団構成や各細胞における遺伝子発現プロファイルを解析する。

Causes of Carryover

令和3年度は予算計画に対し99%の執行と、コロナ禍のため旅費の使用がないなどで、未使用額27,483円があるものの、ほぼ計画どおりの使用である。未使用額については、令和4年度に消耗品費もしくは旅費として使用する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2022

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Novel protocol to observe the intestinal tuft cell using transmission electron microscopy2022

    • Author(s)
      Kozono Takuma、Tamura-Nakano Miwa、Kawamura Yuki I.、Tonozuka Takashi、Nishikawa Atsushi
    • Journal Title

      Biology Open

      Volume: 11 Pages: bio059007

    • DOI

      10.1242/bio.059007

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Enzymatic and structural characterization of β-fructofuranosidase from the honeybee gut bacterium Frischella perrara2022

    • Author(s)
      Kubota Arisa、Kawai Reika、Li Ding、Kozono Takuma、Sasaki Nobumitsu、Nishikawa Atsushi、Fujii Tadashi、Tochio Takumi、Tonozuka Takashi
    • Journal Title

      Applied Microbiology and Biotechnology

      Volume: 106 Pages: 2455~2470

    • DOI

      10.1007/s00253-022-11863-9

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] Jaw1のC末端切断修飾の切断部位と酵素の同定2022

    • Author(s)
      小薗 拓馬、城ヶ野 千冬、奥村 航、佐藤 展之、奥村 宣明、高尾 敏文、殿塚 隆史、西河 淳
    • Organizer
      日本細胞生物学会
  • [Presentation] Jaw1はITPRsとの相互作用を介して細胞内Ca2+シグナルの振幅を制御する2022

    • Author(s)
      奥村 航、松井 仁美、小薗 拓馬、佐藤 展之、高木 翼、殿塚 隆史、西河 淳
    • Organizer
      日本細胞生物学会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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