2022 Fiscal Year Research-status Report
食餌成分による加齢関連疾患の予防効果とその抗加齢メカニズムの解明
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21K14820
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
宮崎 希 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (40725876)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エクオール / 大豆イソフラボン / 加齢性難聴 / 過活動膀胱 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、C57BL/6Jマウスを使用して加齢性難聴の発症に対するエクオールの予防効果を検討した。24週齢から48週齢まで飼育し、24、36、48週齢において聴性脳幹反応を測定し、可聴閾値の上昇を評価した。 48週齢において、体重および摂餌量に変化は見られなかった。体重に対する胸腺の重量比は24週齢に対して48週齢では有意に減少がみられたが、エクオール群は対照群に比べ減少が軽減していた。48週齢における24 kHzの可聴閾値はエクオール群で有意に低かった。また、脾臓において免疫老化の指標となるナイーブT細胞の減少およびメモリーT細胞の増加をエクオールは有意に抑制していた。血中サイトカインのIL-1beta、IL-6、TNF-alphaを比較したところ、IL-1betaでのみエクオールが上昇を軽減していた。蝸牛らせん神経節の脱落においてもエクオールが脱落を軽減していた。 これらのことから、エクオールは免疫老化を抑制し、蝸牛らせん神経節の脱落を軽減することで加齢性難聴の発症を予防している可能性が示唆された。 卵巣摘除ラットにおける膀胱過活動に対するエクオールの予防効果の検討では、初年度からの継続で予定数の実験を終えた。エクオールが膀胱過活動の発生を予防する可能性を示唆する結果となったが、病態対照群の進行が想定よりも弱く有意差が認められなかった。そのため、卵巣摘除後の飼育期間を2か月から4か月に延長して再検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスを用いた加齢性難聴の検討は予定通り進んでいるが、ラットを用いた膀胱過活動の検討が当初の予定より遅れている。さらに追加の検討が必要となったため当初の計画より遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
加齢性難聴の検討においては腸内細菌叢への影響を確認するために次世代シークエンサーを用いた糞便の細菌叢解析を行う。 卵巣摘除による膀胱過活動の検討においては飼育期間を2か月から4か月に延長して再検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
マウスの加齢性難聴の検討は当初初年度に行う予定であったが、ラットの検討と順番を入れ替えたため本年度に行う予定であったマウスの腸内細菌叢の解析などが未実施となってしまった、その他にも当初の計画よりも遅れているために次年度に検討する必要ができてしまったため。
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Research Products
(2 results)