2021 Fiscal Year Research-status Report
オルガネラ間相互作用から探るペルオキシソーム膜タンパク質の輸送機構
Project/Area Number |
21K14825
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高木 純平 北海道大学, 理学研究院, 助教 (80740331)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ペルオキシソーム / シロイヌナズナ / 選別輸送 / オルガネラ |
Outline of Annual Research Achievements |
植物においてペルオキシソームは多様な代謝機能を担うオルガネラであり,発生段階や環境ストレスに応じて分裂・増殖する.一部のペルオキシソーム膜タンパク質は小胞体を経由してペルオキシソームへと輸送される可能性が示唆されているものの,その分子機構は未だ十分に明らかになっていない.本研究課題では,植物においてペルオキシソームへの輸送モデルを構築することを目的とし解析を進める.今年度は様々なペルオキシソーム膜タンパク質のライブセルイメージング解析を行った.その結果,これまでに見出していたペルオキシソーム膜タンパク質に加えて,いくつかのペルオキシソーム膜タンパク質も成熟したペルオキシソームのみならず,ペルオキシソーム前駆体様の構造にも局在していることが示唆された.興味深いことに,これらのペルオキシソーム膜タンパク質は成熟したペルオキシソームの周縁に小さな顆粒状の構造として集積している様子が観察された.加えて,ペルオキシソーム膜タンパク質同士の共局在解析も行ったところ,いくつかのペルオキシソーム膜タンパク質は他のペルオキシソーム膜タンパク質と一部異なる局在を示した.以上の結果から,ペルオキシソーム膜タンパク質によってその動態が多様である可能性が示唆される.今後これらの構造についてより詳細なライブセルイメージング解析を進めていくとともに,ペルオキシソーム膜タンパク質の変異体を用いた解析も進めていく予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大によって一時実験を中断せざるを得なかったために,ライブセルイメージング解析用の形質転換体の作出に当初の予定よりも時間を要した.一方で上述の通り,確立できた形質転換体の解析から一定の成果を得ている.以上のことから,研究はおおむね順調に進展していると考える.
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は上述の通り興味深い構造体を見出したことから,今後は作出した形質転換体について,経時的観察などの詳細なライブセルイメージング解析を実施する.併せて,変異体を用いたペルオキシソーム膜タンパク質の局在・動態の解析を進めていく.また,オルガネラ間相互作用を担う候補因子についても形質転換体を作出し,局在解析を進める予定である.
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大のために,ライブセルイメージング解析用の形質転換体の作出に当初の予定よりも時間を要したために次年度使用額が生じた.引き続き,ライブセルイメージング解析を含めペルオキシソーム膜タンパク質の動態解析を推進するために使用する予定である.
|
Research Products
(9 results)
-
-
-
-
-
[Presentation] SNARE タンパク質SYP61 はユビキチンリガーゼATL31 と共にシロイヌナズナのC/N 栄養応答を制御する2022
Author(s)
長谷川陽子, Thais Huarancca Reyes, 植村知博, Anirban Baral, 羅永茗, 前川修吾, 安田盛貴, 深尾陽一朗, 中野明彦, 高木純平, Rishikesh P. Bhalerao, 山口淳二, 佐藤長緒
Organizer
第63回日本植物生理学会年会
-
-
-
-