2021 Fiscal Year Research-status Report
Sugarcane root improvement through intergeneric hybridization with Erianthus
Project/Area Number |
21K14836
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
寺島 義文 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 熱帯・島嶼研究拠点, 主任研究員 (90414846)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サトウキビ / エリアンサス / 属間雑種 / 農業特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
サトウキビとエリアンサスの属間雑種F1集団の地上部および根系特性の変異および遺伝的多様性を明らかにするために、サトウキビとエリアンサスの属間雑種F1(84系統)を供試して、1)圃場(1区3株、3反復)における新植栽培での地上部・地下部特性データを取得するとともに、2)次世代シーケンサーを利用したゲノム情報を取得した。 1)については、属間雑種F1集団の地上部におけるバイオマス生産性(株あたり生重や乾物重)、収量関連特性(茎数、茎長、茎径、1茎重)、成分特性(糖含有率、繊維分)のデータを取得した。バイオマス生産性に関しては雑種弱勢を示す系統が多く確認され、両親よりも明らかに生育が劣る系統が多く確認されたが、母本としたサトウキビと同程度以上のバイオマス生産性を示す系統も出現した。収量構成要素についても、茎数や茎長、茎径に多様な変異が確認され、茎数が多く、エリアンサスに近い特性を示す系統から、茎数は少ないが茎径が太く、サトウキビに近い特性を示す系統まで大きな変異が確認された。糖含率などの成分特性についても大きな変異が確認され、父本のエリアンサスと同程度の低いBrixの系統から、サトウキビと同程度のBrixとなる系統まで大きな変異が確認された。また、根系の評価に向けて、株の掘り取りを実施し、サンプルを採取した。 2)については、圃場から属間雑種F1集団(84系統)およびその両親の葉のサンプルを採取し、遺伝的多様性の評価に向けて、次世代シーケンサーを利用したゲノム情報のデータを取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、サトウキビとエリアンサスの属間雑種F1集団の地上部特性及び根系特性の変異とともに、それら特性とゲノム情報との関連を明らかにすることを目的としている。当初計画では、ポット試験により特性評価を行う計画であったが、ポット試験では、実際の栽培環境とは異なることから、圃場での特性評価試験に計画を変更した。今年度は、それら雑種集団を圃場で栽培し、地上部特性のデータを取得するともに、地下部の調査に向けて、根系のサンプルを採取した。また、雑種集団のゲノム情報の取得も計画通り実施した。次年度以降の評価、解析に使用する基礎データ、サンプルの取得を計画通り実施したことから、本研究は「おおむね順調に進展している」と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、属間雑種F1と属間雑種BC1集団のポット試験を実施し、生育初期の地上部および根系特性の遺伝的変異を明らかにするとともに、根系特性等のBC1集団への遺伝性を明らかにする。また、R3年度に取得した属間雑種F1集団のゲノム情報を利用して、各属間雑種F1の遺伝的変異を明らかにするとともに、地上部や地下部特性との関連を解析する作業を進める。
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Causes of Carryover |
本研究では、地上部の窒素含率や繊維組成などについての分析を実施する計画であったが、圃場での評価試験としたことから、収穫調査時期が年度末になったため分析を実施することができなかったことに起因する。 昨年度生じた次年度使用額ついては、地上部サンプルの窒素含率や繊維組成評価に利用し、今年度データを取得する。今年度新たに交付される予定の研究資金については、当初の計画通り執行する。
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