2021 Fiscal Year Research-status Report
High-precision yield prediction by fusing drone UAV images and crop growth model
Project/Area Number |
21K14844
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
LIM JIHYUN 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 研究員 (70806992)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 作物モデル / ドローン / UAV / 小型無人飛行機 |
Outline of Annual Research Achievements |
作物生育の圃場内のばらつきを把握する方法として,必要な時期に高空間分解能で取得が可能なドローン画像が有効であるが,従来のNDVI(正規化植生指数)などの植生指数による推定では,生育量の相対的な評価にとどまるなどの課題がある。本研究では,ドローン画像と作物生育予測モデルを深層学習により融合することで,作物の収量を高精度に予測する手法の開発を目的とする。具体的には,ドローン画像より再構成した3次元情報から推定した生育量を,さらに気象シナリオと生育予測モデルにより訓練させた蒸留モデルに入力し作物の収量を予測する収量予測手法を開発する。 初年度は,茨城県内の水稲(コシヒカリ)の慣行栽培圃場を対象とし,6月から8月までに計8回の現地調査を実施した。ドローン画像(RGB・マルチスペクトル)と生育データ(草高・LAI・乾物重量など)を収集し(7回×各10地点),収集したサンプルにおける窒素分析を行った。また,収穫直前には収量調査を実施した(1回×各10地点)。予備試験では,気象情報を入力とする従来の生育予測モデル(SIMRIW)により予測された水稲の生育状況および収量と現地調査から得られた実際の値間に違いがあることを確認した。 現在,ドローン画像により高精度で生育量を推定するため,以上の現地調査で得られたドローンのRGB画像3次元情報と再構成して生育量を推定する方法について試みている。また,マルチスペクトルカメラにより得られた反射率画像からの生育量の推定精度を向上させる方法の開発も行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた現時調査は順調に進んでいる。一方で,コロナ禍でサンプル処理などを分担する補助員の求人に支障があり,収量調査や窒素分析などのサンプルの処理に時間がかかってしまったため(2021年12月末に終了),マルチスペクトル画像より葉の窒素含有量を推定するモデルの開発が予定より少し遅れているが,現在解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に取得したデータを用いて作物の収量を予測モデルの開発を行う。画像から得られる作物体の3次元的大きさを含む生育量を作物生育予測モデルの状態変数として扱えるよう,既存の作物生育予測モデルに深層学習による改良を加える。 また,上記の予測モデルのロバスト性を向上するため,R4年度も初年度と同様の調査を継続し,新たに加わったデータを追加したモデルの更新作業も実施する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で出張や補助員の雇用が円滑にできず,予定通りに旅費と人件費を使用しなかった。R4年度には、積極的に学会参加を検討するともに本研究で開発する手法を水稲の以外の作物にも適用できるように他の作物における現地圃場視察や他の研究者との打ち合わせを行う。また,組織内の補助員などを活用してサンプル処理などに人件費に使用する。 物品費に関しては,R3年度より所属している組織で一部の海外製のドローンの購入が困難となり予定していた機種のドローンが購入出来なかった。R4年度には適切な代替機のドローンまたはドローンに搭載画像なセンサの購入にあてる。
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