2021 Fiscal Year Research-status Report
収穫時期を変えずにタマネギのりん茎重を増大させる地上部形質の特定
Project/Area Number |
21K14851
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
関根 大輔 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜花き研究部門, 研究員 (80823236)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | タマネギ / 大玉性 / 遺伝子型解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は解析材料の育成のため、大玉領域の遺伝子型がヘテロ型(+/-)の個体の自殖後代集団を2集団、各80個体を栽培し、りん茎(球)を収穫した。各々の集団において、各個体の大玉領域の遺伝子型を解析し、遺伝子型ごとに分類し、遺伝子型と球重の関連解析を行った。その結果、大玉アリルを持たないグループ(-/-)に対して、大玉アリルを一つでも持つグループ(+/-, +/+)は球重が有意に大きくなっており、大玉領域の効果を再確認できた。また、大玉アリルを一つでも持つグループ(+/-, +/+)は持たないグループ(-/-)に対して、展開葉数、最大葉身長が有意に増加しており、予想どおり地上部形質にも違いがあることが示唆された。地上部形質の違いがどの生育段階で生じるのか、より詳細に経時的な解析を行うため、解析材料を育成する。大玉アリルを持つグループ(+/+)と持たないグループ(-/-)の各々でグループ内での交配・集団採種を行い、各々のアリル型に固定した2集団を育成する。収穫した各グループのりん茎(球)を別々の採種用網室に定植し、集団採種の準備を進めた。尚、自殖ではなく集団採種とした理由は、遺伝的な固定度が高まると近交弱勢を生じる可能性が高くなり、それを防止するためである。また、タマネギは2年生作物であり、1年目にりん茎肥大し、2年目に開花、結実するため、来年度に集団採種し、再来年度に解析集団での形質調査を行う予定である。栽培試験・形質評価は実験圃場と人工気象室内の各々で行い、葉身の光合成速度などの地上部形質を調査する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、解析材料を育成するための準備ができた。また、予備的なデータであるが、予想どおりに地上部形質の違いを確認できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
大玉アリルを持つグループ(+/+)と持たないグループ(-/-)の各々でグループ内での交配・集団採種を行い、各々のアリル型に固定した2集団を育成する。育成した集団は先行して人工気象室で栽培し、葉身の光合成速度などの地上部形質の調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
高額機器(光合成測定装置)の購入のため、前倒し支払い請求を行い、機器購入手続きを行った。入札の結果、当初の予定額より安く購入できたため、残高が生じた。これらは遺伝子発現解析等の受託解析費として使用し、研究データを拡充に用いる。
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