2021 Fiscal Year Research-status Report
体成長と卵成熟の情報を感知し性成熟を促す魚類神経メカニズムの解明
Project/Area Number |
21K14915
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 花奈 (池上花奈) 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特別研究員 (10806615)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 性成熟 / GnRH |
Outline of Annual Research Achievements |
①体成長にい伴ってGnRH1ニューロンの神経活動が活発になるメカニズム 当初究課題で着目していたインスリン様成長因子1(igf1)に加え、igf2,igf3および、IGF受容体(igf1ra,igf1rb)の遺伝子発現が各成長段階に応じて変動するかをメダカ全脳サンプルを用いたqPCR法にて検証した。その結果、他の動物種と同様にigf1の発現が成長に応じて顕著に増加することを確認できた。また、成熟メスメダカの各臓器における上記IGF遺伝子とIGF受容体遺伝子の発現量をqPCR法にて定量し、先行研究で報告のあった肝臓での発現に加え、他の臓器でも発現していることがわかった。
②性成熟期のGnRH1ニューロンに対するエストロジェンの作用メカニズム 当初の計画を変更し、エストロジェン受容体をもち、エストロジェンによって神経活動が活発になるという報告のある細胞群に着目し、その細胞群をマイクロレーザーダイセクションによって採取し、RNA抽出したサンプルを用いてRNA-seq解析を実施した。現在、その結果を解析中である。また、メダカで発現が確認されている3種類のエストロジェン受容体のうち2種類がノックアウトされたメダカの作出を試み、現在データ解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エストロジェンの脳内作用機序解明に向けた研究では、レーザーマイクロダイセクションによる目的の脳領域の採取に手間取ったものの、RNAseq解析まで順調に進んでいる。 成長因子の脳内作用機序に向けた研究では、現在、遺伝子の発現量解析の結果の取得にとどまっているが、次の実験に向けた準備も進められているため、やや遅れているものの、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
RNAseq解析の結果、GnRH1ニューロンに発現している受容体および、GnRH1ニューロンに直接作用する可能性のある神経伝達物質・神経ペプチドの候補を挙げ、組織学的解析により、候補の絞り込みを行う計画である。これらの候補が性成熟前後で発現量が変動するかどうかも検証する。 また、GnRH1ニューロンの神経活動が活発になっていない幼魚期や、体成長しているものの性成熟を迎えないFSHノックアウトメダカを用い、GnRH1ニューロンの神経活動に対するエストロジェンの作用を検証する予定である。
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Causes of Carryover |
当初の受入研究員の退官に伴い、受入研究者を変更したことや研究環境が変わったことで、実験計画を変更し、比較的費用のかからない、遺伝子発現量解析等の分子遺伝学的実験を中心に実施したため。 次年度への繰越し助成金と新規に請求した助成金を用いて、組織学的解析や生理学的解析等を実施する予定である。
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