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2021 Fiscal Year Research-status Report

Redefinition of the reproductive stage in bivalve based on the oocyte maturation process

Research Project

Project/Area Number 21K14920
Research InstitutionFisheries Research and Education Agency

Principal Investigator

前田 雪  国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(廿日市), 研究員 (10756521)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2023-03-31
Keywords二枚貝類 / タイラギ / 人工受精 / 卵成熟 / Iso-seq
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、海産二枚貝類タイラギの卵成熟過程を核成熟と細胞質成熟に分けて、各々の成熟が完了するために必要となる遺伝子およびタンパク質を明示することである。
令和3年度は、4月から8月にかけてタイラギの人工受精試験を実施した。人工受精試験では、タイラギの卵巣の断片をコラゲナーゼ処理して得られた単離卵と、精巣を海水中で細断して得られた精子を受精させて、受精率、孵化率、および正常発生率を調べた。また、単離卵に対して3段階の濃度でレチノイン酸処理を実施して、各濃度におけるGVBD率を調べた。単離卵の一部は、遺伝子解析と質量分析に用いるために、それぞれRNA laterで固定および凍結保存した。本試験により、合計31個体のタイラギ雌個体からデータと試料を得た。
人工受精試験の結果から、5月に試験を行なった個体において、GVBD率および正常発生率が最も高い値を示すことが明らかになり、この時期に核成熟と細胞質成熟の両方が完了していることが推測された。一方、レチノイン酸処理によるGVBD率が低く、核成熟が未完了と考えられる個体は確保できた数が少なかったため、次年度の早い時期に再度試験を行う必要があると考えられた。
次に、卵試料からtotal RNAを抽出し、ロングリードシーケンス(Iso-seq)に供してシーケンス情報を得て、データ解析を実施し、卵で発現している完全長転写産物のデータベースを構築した。解析の結果、23313個の遺伝子配列を得た。配列類似性検索の結果、95%にアノテーションが付与された。
また、既に所持していたタイラギの卵巣RNA-seqを解析して、卵巣の成熟に伴って発現変動する細胞周期関連遺伝子を同定した。このうち、cyclin Bおよびcyclin dependent kinase 1を特異的に認識する抗体を作製した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

上述したように、今年度人工受精試験を行った個体について、GVBD率および正常発生率の値を調べた結果、核成熟前の段階と考えられる個体の数が少なかったため、次年度に人工受精試験を追加で実施する必要がある。また、D型幼生の試料を確保することを予定していたが、解析に用いる十分量を確保することができなかったため、令和4年度に親貝の産卵誘発試験を行なって試料を確保する。
解析に必要な試料の確保は完了していないが、遺伝子解析および質量分析に必須となる完全長転写産物のデータベース構築は予定通り完了しており、アノテーション率の高い高品質なデータベースが得られている。また、タイラギの塩基配列を参照して、2種類の細胞周期関連遺伝子の抗体を作製した。これらは成熟促進因子と呼ばれる遺伝子で、他生物種においても卵母細胞の成熟過程で機能することが知られている。この抗体を用いて予備試験を行うことにより、次年度の質量分析に先立って、個別の遺伝子のタンパク質動態を調べる実験系を確立することができると考えられる。
以上のことから、おおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

人工受精試験および産卵誘発試験を追加で実施するとともに、GVBD率および正常発生率の値から、サンプルを①核成熟前②核成熟後かつ細胞質成熟前③細胞質成熟後の3段階に分ける。当初の予定通り、各段階に属する個体から得られた卵試料およびD型幼生試料を用いて、遺伝子解析および質量分析を実施する。その結果に基づいて、各々の成熟が完了するために必要となる遺伝子およびタンパク質を明示する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Changes in gonadotropin-releasing hormone in the cerebral ganglion of the Manila clam Ruditapes philippinarum during gonadal development2022

    • Author(s)
      Ojima Daisuke、Hirano-Maeda Yuki、Matsubara Aoba、Amano Masafumi
    • Journal Title

      Comparative Biochemistry and Physiology Part A: Molecular & Integrative Physiology

      Volume: - Pages: 111228~111228

    • DOI

      10.1016/j.cbpa.2022.111228

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] タイラギのレチノイン酸合成酵素遺伝子の同定と発現解析2021

    • Author(s)
      舩山 翔平、前田 雪、淡路 雅彦、松本 才絵
    • Organizer
      日本水産学会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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