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2023 Fiscal Year Research-status Report

スマート酪農技術の導入と適応の規定要因は何か

Research Project

Project/Area Number 21K14921
Research InstitutionObihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine

Principal Investigator

森岡 昌子  帯広畜産大学, その他部局等, 助教 (40838538)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywordsスマート酪農 / 牛群管理システム / IoTデバイス / 酪農
Outline of Annual Research Achievements

酪農におけるIoTデバイスの導入として、代表的なものに加速度センサーを利用した牛群管理システムが挙げられる。これらの加速度センサーを用いたシステムは主に100頭以上の大規模経営体において発情発見等の個体管理として用いられる。しかし、依然として酪農経営の飼養形態は家族経営体が主体的であり、北海道では100頭未満規模の経営たが80%弱を占めている状態である。
そこで、IoTデバイスを導入する100頭未満規模の経営体に対して聞き取り調査を実施し、その導入の動機、飼養管理や経営の効果を明らかにした。
結果として、大規模経営体とは異なり、発情発見や受胎率の向上というよりは、疾病予防を主な目的として活用する傾向にあることが明らかとなった。100頭未満規模になると、発情を見落とす事はほとんどない。一方で、肢蹄病や消化器障害になると乳牛の行動量が減少する。従来であれば、何となくの違和感から、目視で観察、確証を得た後に獣医を呼ぶ、という手順を踏んでいた。しかし、デバイスから確認できる客観的な数値によって、目視での観察や確証を得るまでのプロセスを省略することができ、違和感やデバイスからのアラートを受け取ったあとにすぐに獣医を呼ぶという判断をすることができる。以上のような早期発見と病気の重症化防止によって、乳牛の回復が早くなり、病気による除籍率の低減に貢献する効果が見込まれる。
また経営の効果として、診察費や医薬品費の節減効果が認められる。経営体が家畜共済に加入しているかによって効果の大きさは変わってくるが、肢蹄病、関節疾患、繁殖障害、消化器障害にかかる給付外金額の支出の減少が見られた。これらは乳牛の行動量や反芻時間を把握することで、早期発見に繋げやすい病気であることから、適切にIoTデバイスを活用することによって、支出を低減させることができるといえる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウイルス感染症のまん延防止の観点と、調査先の経営体への配慮から、採択年度の最初の2年は酪農経営体への聞き取り調査を自粛したため。

Strategy for Future Research Activity

現在、IoTデバイスを使用する飼養頭数100頭程度の別の家族経営体に聞き取り調査を実施し、IoTデバイスを導入する前後の牛群検定成績表を入手した。今後、これらのデータを整理し、既存データと比較して査読付き論文として取りまとめる。

Causes of Carryover

研究計画の最初2年は聞き取り調査を自粛したため、調査旅費の執行予定が滞っている。研究の取りまとめとその結果を公表するため、学会の参加旅費として使用する予定である。

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Published: 2024-12-25  

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