2021 Fiscal Year Research-status Report
Predicting the "gains from trade" using AI technology in the agricultural sector
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21K14930
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
佐藤 秀保 東洋大学, 食環境科学部, 准教授 (70805118)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 農産物貿易 / 自由貿易協定 / 貿易の利益 / 代替の弾力性 / 応用一般均衡分析 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度となる2021年度は主に①分析のための環境構築,②自由貿易協定締結に伴う「貿易の利益」推計のための機械学習(ML)用,および経済理論をベースとした計量経済学的方法による主要パラメータ推定用のデータの整備,および③国際経済学における実証研究を中心とした先行研究のレビューを行った. ①について,本研究では各国の農産物・食品に関するバイラテラルな時系列貿易データなどの大規模なデータに対し効果的に機械学習(ML)の方法を適用するため.そのために十分なスペックのワークステーションを設置し,WSL(Windows Subsystem for Linux)・UbuntuにおけるPythonの利用準備を進めた.②について,メインのMLをベースとした分析の比較対象となる,経済理論に基づく貿易モデルを援用したシミュレーション分析で採用される主要パラメータ(特に国産品・輸入品間の代替の弾力性)の推定を進めるため,輸入農産物の財カテゴリに対応する国産農産物(牛肉,豚肉,鶏肉,バター,チーズ,脱脂粉乳など)の需給表を作成した.③について,国際経済学分野におけるMLの適用に関する諸研究(Gopinath et al., 2020; Breinlich et al., 2021; Nummelin & Hanninen, 2016; Yildirim et al., 2014など)や貿易の利益に関する諸研究(Alessandria et al., 2021; Krolikowskia & McCallum, 2021; Giri et al.; 2021など),およびトレード・コストに関する諸研究(Anderson et al., 2018; Chaney, 2018)など最新のものを整理したが,「貿易の利益」の推計への直接的なMLの適用は確認されなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度となる2021年度は計画当初から分析のための環境構築やデータ整備に時間を割く予定ではあったが,ワークステーションの納入がやや遅れたことにより予定よりも着手に遅れは生じたが,概ね予定通りに進行している.
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Strategy for Future Research Activity |
整備した環境とデータを基にMLによる貿易モデルの学習を進めるとともに,計量経済学的手法による代替の弾力性の推定を進める.分析に必要なパラメータ・データとして最新のGTAPデータベースのライセンスを購入するとともにCGEモデルによる分析のための準備を進める(それに伴いSource-Code GEMPACKを購入する).
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Causes of Carryover |
ワークステーションの購入金額に支出予定額から変動があり,結果的に2,605円の繰越分が生じた.翌年度は物品費の購入に充てる予定である.
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