2023 Fiscal Year Annual Research Report
Quantifying effects of plant root growth on soil thermal properties and developing in-situ plant root density measurement
Project/Area Number |
21K14940
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小島 悠揮 岐阜大学, 工学部, 准教授 (70767475)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 植物根 / 土壌特性 / X線CT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,地表面近傍土壌の熱輸送量評価において,これまで着目されてこなかった植物根の生長が土壌の熱輸送特性に与える影響を解明することを目的としている.熱輸送特性は土粒子の配列や間隙構造などの,土壌構造に強く関連するため,土壌構造に植物根が与える影響の解明に取り組んだ.土壌センサでは十分に解明しきれないマイクロスケールでの影響解明に向け,X線CTを用いた解析に取り組んだ.2023年度はX線CTスキャンを用いてギニアグラス・ダイズ・イタリアングラスを栽培した豊浦砂のカラムを撮影し,根,土粒子,土壌水分および土壌空気の分布を解析,評価した.その結果,以下の成果を得た. ①CTスキャンによって得られた画像から,リージョングローイング法に基づいた根の分節化手法を半自動的に解析する手法を開発した.これにより根の分節化が従来よりも高速に実施可能となり,前述の複数の植物根の分布を詳細に解析,把握できた. ②豊浦砂にて栽培したダイズの根は,アクリルカラム壁面の土粒子による貫入抵抗の小さい箇所を通じて成長する様子が見られた.その一方で,イタリアングラスの根は比較的カラム中心部においても根が成長している様子が見られた.このことは植物根の形状や,根径の大小が影響していると考えられる. ③植物根を分節化した画像から,さらに土粒子,水,空気を分節化し,画像解析によってそれらの分布の変化を解析できた.植物根は,土粒子の配列や間隙構造,間隙水の分布などに影響を与えているが,その影響度はカラム全体を評価をする際には比較的小さいことがわかった.根の周囲に限定すると間隙水の集中などの影響がみられた.
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