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2023 Fiscal Year Research-status Report

IL4I1が腸管免疫および腸管上皮に与える影響の解明

Research Project

Project/Area Number 21K14968
Research InstitutionNational Agriculture and Food Research Organization

Principal Investigator

青木 玲二  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 上級研究員 (00391384)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
KeywordsIL4i1 / 腸管上皮 / 腸管免疫 / 芳香族炭化水素受容体 / インドール-3-ピルビン酸
Outline of Annual Research Achievements

Interleukin 4-induced gene-1 (IL4I1)はL-アミノ酸をα-ケト酸に変換する酵素であり、免疫の抑制に関わっていることが報告されている。IL4I1はトリプトファンを代謝してインドール-3-ピルビン酸を産生するが、インドール-3-ピルビン酸やその派生物は芳香族炭化水素受容体(AhR)を活性化することがわかっている。一方で、AhRは腸管免疫や腸管上皮の発達において重要な役割をはたしていることが知られている。そこで本研究ではIL4I1ノックアウトマウスを用い、IL4I1が腸管の発達に寄与しているかどうか明らかにすることを目指す。R5年度は前年度に引き継き、導入したIL4I1ノックアウトマウスの遺伝的背景を変えるため、近交系との戻し交配を実施し、10世代目を得ることができた。続いて、得られたヘテロマウス同士をかけあわせ、IL4I1ノックアウトマウスと野生型マウスを得た。そこでIL4I1ノックアウトマウスを用いて、IL4I1が免疫細胞の分化や応答に与える影響を解析した。まず、T細胞分化に注目し、野生型マウスおよびIL4I1ノックアウトマウスからnaive T細胞を調製した。naive T細胞を、Th1、Th2、Th17、制御性T細胞それぞれの分化誘導条件で培養したところ、IL4I1のノックアウトにより一部の細胞で分化割合が多少影響を受ける可能性が示唆されたものの、IL4i1ノックアウトマウス由来のnaive T細胞でも分化が誘導されることがわかった。続いて、パイエル板細胞および腸間膜リンパ節のIL-22応答を比較した。IL-22を産生する腸管の細胞としては3型自然リンパ球(ILC3)が知られており、ILC3はAhRにより制御されていることが知られている。このため、IL4I1がAhRを介してILC3のIL-22応答に影響を与える可能性があるのではないかと考えていたが、今回実施した条件では、パイエル板細胞および腸間膜リンパ節のIL-22応答に差は認められなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナの影響により、IL4i1ノックアウトマウスの導入などに時間がかかったため、計画全体に遅延が生じている。

Strategy for Future Research Activity

現在のところ、IL4I1の腸管免疫における影響として当初考えていた部分に明確な差が認められないことから、網羅的な解析を実施する計画に変更することで、どのような部分に差があるのかを明らかにする計画に修正する。加えて、腸内細菌の影響についても検討を実施する。具体的には、野生型マウスとIL4I1ノックアウトマウスが抗生物質の投与の有無により、腸管の遺伝子発現にどのような影響があるのかをRNAseq解析を実施することで明らかにする。また、IL4I1が腸管バリア機能に与える影響を解析するため、IL4I1ノックアウトマウスと野生型マウスにデキストラン硫酸ナトリウムを摂取させ、腸管に誘導される炎症状態を比較する。

Causes of Carryover

新型コロナの影響により、IL4I1ノックアウトマウスの導入などが遅れ、全体の計画に遅延が生じたため、次年度使用額が生じている。
生じた次年度使用額に関してはIL4I1が腸管に与える影響を網羅的に解析する実験に使用するほか、IL4I1が腸管バリア機能に与える影響を解析する実験に使用する予定である。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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